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日本 権力構造の謎(下) の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2021/09/05

政治、ビジネス、警察、教育等あらゆる側面から徹底的に日本を分析。在日28年の俊英ジャーナリストならではの切り口と深い洞察で日本社会の深層をえぐる。ーーー とにかく読み応えのある内容と分量です。まず、これだけの文献や資料を読み込んできた点に感服します。欲を言えば、各章の最後に簡単...

政治、ビジネス、警察、教育等あらゆる側面から徹底的に日本を分析。在日28年の俊英ジャーナリストならではの切り口と深い洞察で日本社会の深層をえぐる。ーーー とにかく読み応えのある内容と分量です。まず、これだけの文献や資料を読み込んできた点に感服します。欲を言えば、各章の最後に簡単なまとめ的なものが欲しかった。さらに、文庫本には「文庫新版への結び」という内容で49ページもの加筆がありますが、これは世界一長い「あとがき」だと思います。(調べてないけど・・) 取り扱われている内容は、日本の権力構造が責任主体のない「システム」として組み込まれている謎に迫るというものです。 下巻で扱われるのは、政治はもちろん宗教や文化など多岐にわたりますが、象徴的な出来事や現象から本質に迫ろうとする手法がユニークです。 例えば、「会社の生命は永遠です。その永遠のために私たちは奉仕すべきです」という遺書を残して飛び降り自殺した日商岩井の島田常務(1979年)などは会社教の狂信的信者確定だろうし、帰国子女が、異国体験や視野の多様性を評価されるどころか、差別やイジメの対象になってしまうという「同調圧力」の怖さ、日本人口の3分の2は大企業以外から生計を得ているのに、今もなお消費者よりも生産者優先の政策が継続されている謎など読ませます。 そして、「差別問題と言論の自由について」という小冊子がもれなく(第2刷以降)添付されていますが、筆者と部落解放同盟書記との外国人記者クラブでの公開討論の様子がまとめられています。本書で扱われた一部表記が、差別を助長するという小森書記長の問題提起を受けた討論会ですが、両者の議論が終始かみ合わないのもリアリティがあって面白かった。

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2020/08/28

この書物が書かれたときからの大きな変化は、インターネットの生活への広範な浸透により、SNSなどを通じて個人が発信した自分の意見をより多くの人に知らしめることが可能になったということである。<システム>は電通などを通して、何とか「管理者」たちに不都合をもたらすであろう情報を抑え込も...

この書物が書かれたときからの大きな変化は、インターネットの生活への広範な浸透により、SNSなどを通じて個人が発信した自分の意見をより多くの人に知らしめることが可能になったということである。<システム>は電通などを通して、何とか「管理者」たちに不都合をもたらすであろう情報を抑え込もうとするが、それにも限界があるであろう。 筆者が指摘する「日本主義」的なあらわれは、確かに日本人全般に見られる傾向であろうが、それも少しずつ変化しつつあるようにも思われる。そこにこの国の未来への希望を見出したい。

Posted byブクログ