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本当の戦争の話をしよう の商品レビュー

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2023/06/09

〝本当の戦争の話というものは信じてもらえっこない。娘のキャスリ-ンが私に尋ねた「お父さんは人を殺したことがあるの?」... ヴェトナムは実にいろんな不思議な話で満ちていた。あるものはちょっと信じがたい話、あるものは全くの眉唾もの、ずっと後に残る話は、気違い沙汰と日常茶飯事を隔て...

〝本当の戦争の話というものは信じてもらえっこない。娘のキャスリ-ンが私に尋ねた「お父さんは人を殺したことがあるの?」... ヴェトナムは実にいろんな不思議な話で満ちていた。あるものはちょっと信じがたい話、あるものは全くの眉唾もの、ずっと後に残る話は、気違い沙汰と日常茶飯事を隔てる、或いは狂気と正常世界を隔てる境界線にある類いの話なのだ〟・・・人を殺すということ、失った戦友の記憶、帰還後の若者たちの胸に刻まれた「戦争悪」を比喩した、ティム・オブライエン作、村上春樹サン翻訳による、鮮烈な22篇の短編集。

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2012/01/11

 本当の戦争の話というのは全然教訓的でないとティム・オブライエンは断言する。そこには一般的法則というものがない。    たとえば戦争は地獄だという。教訓的な声明としてみればこの言うまでもない自明の理は完全にいうまでもなく自明に真実である、でもそれが抽象でありそれが一般論であるがゆ...

 本当の戦争の話というのは全然教訓的でないとティム・オブライエンは断言する。そこには一般的法則というものがない。    たとえば戦争は地獄だという。教訓的な声明としてみればこの言うまでもない自明の理は完全にいうまでもなく自明に真実である、でもそれが抽象でありそれが一般論であるがゆえ、私としては心の底からそいつを信じることができない。腹にしみてことないのだ。  それははらわたの直感にずしりと来るものなのだ。本当の戦争の話というものは、偽りなく語られれば、腹を納得させることができるのだ。(p125)  戦争は、人を傷つけ、狂わせる装置である。比喩的な意味でも、そして実際的な意味でも。そういったある種の生々しさが伝わってくる。確かにオブライエンのこれらの話はぼくの腹を納得させた

Posted byブクログ

2011/12/19

 本棚を整理していると、ページの変色した本を見つけた。同じ日、江國香織さんのエッセイを読んでいると、その本の題名が出てきた。そうしてわたしはこの本を読むことにした。

Posted byブクログ