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雲の宴(下) の商品レビュー

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2021/08/28

冴子は、現代文明に対する鋭い批評眼をもつ詩人の瓜生赤彦に原稿を依頼します。やがて瓜生はとつぜん海外旅行に出かけることになり、ホテルに缶詰めになってあらかじめ二か月分の原稿を執筆することを宣言します。冴子は彼のサポートをおこない、しだいに二人の関係は深まっていきます。 一方、セレ...

冴子は、現代文明に対する鋭い批評眼をもつ詩人の瓜生赤彦に原稿を依頼します。やがて瓜生はとつぜん海外旅行に出かけることになり、ホテルに缶詰めになってあらかじめ二か月分の原稿を執筆することを宣言します。冴子は彼のサポートをおこない、しだいに二人の関係は深まっていきます。 一方、セレール共和国の政権転覆をくわだてる郡司は、ルーマニアから武器を輸送することになります。いくつもの困難をくぐり抜けてついに彼はセレール共和国に入り、いよいよクーデタが実行へと移されます。ところが、取材のためにセレール共和国を訪れていた敦子たちが偶然から事件に巻き込まれてしまい、そのことを知った郡司は彼女の救出のために行動を開始します。 純粋にエンターテインメント小説としてじゅうぶんにたのしめる内容で、おもしろく読むことができました。もっとも、ハリウッド映画のような劇的な展開のなかで、敦子と郡司のあいだのわだかまりが解かれ、二人が和解するラスト・シーンは、ちょっとやりすぎの感もありますが。

Posted byブクログ