ハイスクール八犬伝(4) の商品レビュー

橋本治【著】

2019/04/29

巫女柴先生の子飼いだった文芸部員たちの暗躍に流され
新宿死美人ホテルで開催される読モ選考会に
うかうか出場してしまい
しかも、ほとんど出来レースと思われる勢いで
優勝まで決めた伏見しのぶ
しかしなぜか血みどろの惨劇に巻き込まれ
新たに出会った八犬士のひとり犬飼美弥とともに
命からがら逃げだしたはいいが
なぜか到着した42階のラウンジで
やはりなぜかそこにいた黄泉の女王イザナミと対面して
そして死ぬ
テレポーターとして目覚めた荘田礼子に救われ
死の直前、しのぶは礼子と仲直りを果たしたのだけど
黄泉の国で見つけた亀井微笑子の存在に気をとられ
そっちに向かってしまったんだ
助け損とは言わないまでも
再会した犬山くんには名前を忘れられていたし
踏んだり蹴ったりの荘田礼子であった

元からどうも展開が飛ばしすぎで
文章の追い付いていかない感は強いのだが
加えてこの巻においては
無意識のうちに抑圧されたジェンダーの問題と
それに振り回される人々の描写に多くのページが割かれており
なんというか、後半は小説というより評論になってしまうのだった
「前世は異性だった」で済む話と思うけどね
SFファンタジーなんだし