短編集 満潮 の商品レビュー
小谷野先生がコメントしてたので古本見てみたが、これイタリアのエッチな映画になってたあれか。1950年代のエロってこういう感じよね。インテリ向けエロ。こういうのなんかずいぶん遠くなったわよねえ。
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「満潮」「アディーヴ」「啓示」「曖昧な三角形」「官能の形態」「月の衣裳箪笥」「マロニエ」「海嘯」短編8篇収録。作品の中に流れるエロティシズムは生命の脈動と暫し結びついていて、特に表題作の「満潮」、「海嘯」は読みながらバタイユの「太陽肛門」を思い出しました。「海嘯」に至ってはその言...
「満潮」「アディーヴ」「啓示」「曖昧な三角形」「官能の形態」「月の衣裳箪笥」「マロニエ」「海嘯」短編8篇収録。作品の中に流れるエロティシズムは生命の脈動と暫し結びついていて、特に表題作の「満潮」、「海嘯」は読みながらバタイユの「太陽肛門」を思い出しました。「海嘯」に至ってはその言葉が意味するのは男性の生殖機能を示唆してるように感じました。「官能の形態」や「月の衣裳箪笥」に見られる、過去疑問形、仮定法の文章が何とも型破りで、新鮮な味わいがあり、何処を彷徨っているのか解らなくなる不思議な心地良さがあります。マンディアルグの他の作品も読みたいです。
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ストーリーに劇的な面白さはありませんが、視覚的に訴えかけてくるものがあります。未来系・仮定形、副詞や形容詞の多用によって幻想的な風景が創り出されています。そして、そこにエロティシズムが絡んでいく。一番気に入ったのはシュルレアリストである画家のジョアン・ミロに捧げられた「月の衣装箪...
ストーリーに劇的な面白さはありませんが、視覚的に訴えかけてくるものがあります。未来系・仮定形、副詞や形容詞の多用によって幻想的な風景が創り出されています。そして、そこにエロティシズムが絡んでいく。一番気に入ったのはシュルレアリストである画家のジョアン・ミロに捧げられた「月の衣装箪笥」。一瞬の間に広がっていく未来形による超現実的な妖しい幻想が、最後の現在形の文章によって引き裂かれる様は鮮烈です。
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