車輪の下 の商品レビュー

ヘルマンヘッセ【著】,岩淵達治【訳】

最初は中学生。「だか…

[文庫ＯＦＦ]

最初は中学生。「だから大人は信用できない」と的外れな感想を抱きました。数年後、学生の自分を卒業して再読すると…若いから痛々しいのか、痛々しいことが若いことの証明なのか、真剣に考えてしまいます。その時点で昔と同じ感覚、既に主人公と同じ視線で世の中を見られなくなっている自分に気がつくのですが…。十代の頃にきちんと読んでいてよかったと、そう思える一冊です。

2012/08/08

別れを告げながら、二度と帰らぬ大きな幸福のとげの後を残していくためためだということが彼にはわかっていなかったのだ。

場面、内面の描写や喩えの美しさに心震えました。