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ホック氏の異郷の冒険 の商品レビュー

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2010/12/26

 自宅にあったのがこの版でウケました。いつ買ったんだろう、これ。  タイトルのホック氏(サミュエル・ホック氏)でピンと来る人は来る、シャーロック・ホームズもののパスティーシュです。ライヘンバッハの滝の対決のあとホームズは身元を隠してチベット界隈を旅行していたらしい……という公式...

 自宅にあったのがこの版でウケました。いつ買ったんだろう、これ。  タイトルのホック氏(サミュエル・ホック氏)でピンと来る人は来る、シャーロック・ホームズもののパスティーシュです。ライヘンバッハの滝の対決のあとホームズは身元を隠してチベット界隈を旅行していたらしい……という公式設定を忠実に踏まえ、「チベットに行く前に、日本に滞在していた」という設定のもと、ホック氏の日本での「冒険」が語られます。  「倉の片付けをしていたら、祖父が遺した手記を発見した。ここに英国からやってきた『ホック氏』なる人物のことが記されている。どうやら英語に堪能だった祖父は、彼の通訳兼世話係をしていたようだ……」  という導入部から、すんなりと作中世界に入り込み、気持ちよく「騙される」ことができます。秘密文書紛失の事件だけでなく、史実や当時の風俗とのすり合わせも上手く出来ている良書です。  人気もあったらしく続編として「ホック氏・紫禁城の対決」など出版されていますが、こちらは未読。

Posted byブクログ