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霧笛 の商品レビュー

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雰囲気のある現代小説…

雰囲気のある現代小説。木村荘八の挿絵でも有名ですね。

文庫OFF

2009/10/04

・明治初年の横浜を舞台にした2編。 ・「霧笛」はハードボイルドな明治物。悲劇的なラストは倒錯的なまでにハードボイルド過ぎるだろ。俺は何にせよハッピーエンド至上主義。 ・明治の日本っていう「息子」が、白い神である欧米人、つまり「父親」に対して、畏怖し尊敬せずにはいられないんだけど、...

・明治初年の横浜を舞台にした2編。 ・「霧笛」はハードボイルドな明治物。悲劇的なラストは倒錯的なまでにハードボイルド過ぎるだろ。俺は何にせよハッピーエンド至上主義。 ・明治の日本っていう「息子」が、白い神である欧米人、つまり「父親」に対して、畏怖し尊敬せずにはいられないんだけど、反感を持つし乗り越えたい、っていう複雑なコンプレックスが話の柱かな。「父親」の女を寝取るってとこはすっかりエディプスコンプレックス。当時の欧米人に対する感覚ってそうだったのか興味ある。 ・「幻燈」は開化で先行きがわからなくなった士族の若者が、未来に希望を見出していく一転して明るい内容。素直に読めた。気持ちよく。 ・ブラックが言っている「サムライ以外の日本人は低すぎる」っていうのは当時の欧米人の実感なのか?イザベラ・バードは必ずしも日本人の「質」が低いとは言っていないよね。「文化度」が低かったのは認めるけれど。 ・2編ともヒロインが可憐で大好きになった。お花もお種も抱きしめたくなるようにかわいらしい。 ・明治物といえば俺の中で風太郎なんだけど、また違って楽しめた。どちらも明治初年は見てきてないわけだけど、何が違うんだろう?風太郎の明治物には何か少し暗さがつきまとうんだよね。開化の暗部、というか。そういうのはあまり感じられなかった。

Posted byブクログ