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花僧 の商品レビュー

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2011/01/04

澤田ふじ子の池坊3部作は、長い池坊の歴史の中で傑出した3人を描いた小説である。 伝記ではなく、あえて小説でしか書けない世界である。あまりに資料が少なく歴史書としてはまとめようがないのである。 池坊中興の祖といわれる専応は室町の人。 池坊の名代として江戸に上って(下って?)10年遂...

澤田ふじ子の池坊3部作は、長い池坊の歴史の中で傑出した3人を描いた小説である。 伝記ではなく、あえて小説でしか書けない世界である。あまりに資料が少なく歴史書としてはまとめようがないのである。 池坊中興の祖といわれる専応は室町の人。 池坊の名代として江戸に上って(下って?)10年遂に法院継承ならなかった以信は江戸初期の人。 池坊と天下を2分するといわれた未生流の開祖一甫は江戸後期の人。 資料は殆どない中で、7割8割が澤田ふじ子の創作であろう。大変な筆力だ。彼女の小説をこの3部作で初めて読んだが他にも膨大な(100冊もの)小説を書いている。どこでそんな力を培ったのだろう。いつ資料を集めるのだろう。すごい人だ。

Posted byブクログ

2010/11/25

10年前に感動して読んだ。 いままた読んでみて当時の感動がそのまま今の私にもあった。 池坊の祖専応(太郎坊)の生涯を描いている。 夜盗に犯された母から生まれた彼は、6歳で明蓮坊に拾われる、 明蓮坊に鍛えられ、教えられ、慈しまれて成長していく。 周囲から賤しいと蔑まれながら、最後...

10年前に感動して読んだ。 いままた読んでみて当時の感動がそのまま今の私にもあった。 池坊の祖専応(太郎坊)の生涯を描いている。 夜盗に犯された母から生まれた彼は、6歳で明蓮坊に拾われる、 明蓮坊に鍛えられ、教えられ、慈しまれて成長していく。 周囲から賤しいと蔑まれながら、最後に池坊の法院にまでのぼりつめる。 身分が違うため添われなかった公家の姫君、貴子は盲目になっても太郎坊を慕い続け、病に倒れいまわの際に漸く太郎坊に抱きしめられ眼を閉じる。 最後の数行は何度読んでも涙がこぼれてとまらない。

Posted byブクログ