ラッフルズホテル の商品レビュー
あんまり内容覚えてなかったんですが、これは若気の至り的作品なんでしょうか。確か映画も全然面白くなかった記憶がありますが、小説としても何と言うか浅いなぁという一言です。
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お前はジャングルに咲く野生の蘭のようだ。戦場の影をひきずるカメラマン狩谷のことばが女優・萌子の胸に響く。華やかなシンガポールの夜に交錯する男の過去と女の想い…。すべてをすてた萌子の愛の追跡。書き下し恋愛長篇小説。 描写は面白いと思うが、ストーリー的には目的不明で分からない。せつなさが残る。
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濃ゆい。対比しながらの描写は双方の視点で書いてあり、お互いの重きをした点が強調されてて心地よい。 心の動きの描写が秀逸でした。
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長方形の紙を、のりを使って接着すると、のりしろ部分がだぶる。 だぶりつつ、紙は長くなる。 この小説はそんな感じ。 章ごとに、3人の登場人物間で視点が変わる。 時間をだぶらせながら、話がすすむので、のりしろができる。 例えば、 「他に用事はないんです」 手の指で涙を拭いて本間...
長方形の紙を、のりを使って接着すると、のりしろ部分がだぶる。 だぶりつつ、紙は長くなる。 この小説はそんな感じ。 章ごとに、3人の登場人物間で視点が変わる。 時間をだぶらせながら、話がすすむので、のりしろができる。 例えば、 「他に用事はないんです」 手の指で涙を拭いて本間萌子は言った。 「よくわからないな」 「何がですか?」 「僕はあなたを知らない」 「あたしは、今、ここにいます」 という会話が、次の章だとこんな具合。 「他に用事はないんです」 死刑にするわよ、 「よくわからないな」 いつか死刑、 「僕はあなたを知らない」 永遠に知ることはできないよ、 「あたしは、今、ここにいます」 会話の連続だった部分が、別の視点だと長い長い脳内モノローグが挟まれていたり、非現実的な現実臭さ。 だぶらせてまで、話は続いていくのに、 「文学はコラージュ」な稲垣足穂の雰囲気。 コラージュが「のりしろ」って意味だからかな。 この作品は、龍監督の映画「ラッフルズホテル」の小説化らしく、先に映像が存在したゆえの、この雰囲気かな。 ----------------------------------------------------- p141 Fly Me To The Moonの歌詞が In other wordsの代わりにIn another world(別の惑星)として翻訳されていた。 耳の裏側の世界=別の惑星 ということね。
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刊行時、この天才的な女優やその耳の奥のリゾートのイメージに共感できるよう努力し、そして失敗して読み進めなかった。あらためて話半分に聞くようにして読むと、視点を変えてのオーバーラップ部分もあり、すさまじい速さで読み進む。「ストレンジ・デイズ」もそうだったが、登場人物同士が互いに称賛...
刊行時、この天才的な女優やその耳の奥のリゾートのイメージに共感できるよう努力し、そして失敗して読み進めなかった。あらためて話半分に聞くようにして読むと、視点を変えてのオーバーラップ部分もあり、すさまじい速さで読み進む。「ストレンジ・デイズ」もそうだったが、登場人物同士が互いに称賛し合うようには、読み手としては称賛できない。(それぞれの内面が書かれるからか?)。結果として「うちわぼめ」を遠くで眺めているうちに、その世界が加速していき終末を迎えたという印象。 (追記) (1) 「その写真」はあの写真だろうか。(2) "Fly me to the moon" の日本語訳が "In other words" ではなく "In another world" のそれになっているのではないか。この歌はこの「換言すれば(まったく鈍いんだから!)」が肝だと思うのだが、そこを "Another World" - "別の惑星" - "耳の裏のリゾート" にされると何の歌か分かりにくい。
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