新・平家物語(十三) の商品レビュー
『MASTER PIECE』
とにかく長いお話で、体力を使いました。 それだけに、平安時代後期から鎌倉時代前期の社会を タイムマシンで見てきたなって感じです。 生まれた時代が過酷なカオスだとしても、 考え方が大事なんだと、阿部麻鳥から学ぶことができました。 「ボーッと生きてんじゃねえよ!」っ...
とにかく長いお話で、体力を使いました。 それだけに、平安時代後期から鎌倉時代前期の社会を タイムマシンで見てきたなって感じです。 生まれた時代が過酷なカオスだとしても、 考え方が大事なんだと、阿部麻鳥から学ぶことができました。 「ボーッと生きてんじゃねえよ!」って言われちゃって…。
クラシカルなMK
屋島で敗れ彦島に逃げ込んだ平家は、男も、女も、もはや源氏には勝てないと、口では言わないけれども、うすうす感じている。その痛々しさが哀れである。
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屋島の合戦から彦島に逃がれる平家のお話。いよいよ最終局面に、突入。物語も終わりに近づく。 印象的な、シーンは屋島での扇を射る那須与一。自分の命を賭けて矢を放つ描写はかなりのページではくりょくがある。 その長門で奮戦する平知盛と屋島からやってくる、兄貴に当たる平宗盛がしっくりいか...
屋島の合戦から彦島に逃がれる平家のお話。いよいよ最終局面に、突入。物語も終わりに近づく。 印象的な、シーンは屋島での扇を射る那須与一。自分の命を賭けて矢を放つ描写はかなりのページではくりょくがある。 その長門で奮戦する平知盛と屋島からやってくる、兄貴に当たる平宗盛がしっくりいかない。いずれにせよ、滅亡を予見する知盛、なんとか平家を残そうと画策する平時忠親子。平家内での思惑が錯綜します。
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屋島の戦いから、壇ノ浦の戦いに入るまでが描かれた巻。義経の戦略により屋島の戦いでも勝利を収めたが、忠臣である佐藤継信を失うなど、源氏方にもダメージが残る結果となった。 後半は平家方に焦点が当てられ、厳島参拝・彦島での出来事が描かれたが、総統である宗盛の暗愚さに辟易とした。物語上...
屋島の戦いから、壇ノ浦の戦いに入るまでが描かれた巻。義経の戦略により屋島の戦いでも勝利を収めたが、忠臣である佐藤継信を失うなど、源氏方にもダメージが残る結果となった。 後半は平家方に焦点が当てられ、厳島参拝・彦島での出来事が描かれたが、総統である宗盛の暗愚さに辟易とした。物語上、彼を無能に描くしかない事は分かるが、他の兄弟を差し置いて何故彼が平家のトップを務めているのか疑問である。彼の猜疑心が時忠・原田を無力化させる結果となり、平家の足を引っ張っているのが現状で、過去のお人好し設定が鳴りを潜めている。トップが無能だと、こうも組織の瓦解を招くのかと感じた。 次巻は壇ノ浦の戦い。悲劇的な末路を知っている上で、どう描かれているのか注目したい。
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「屋島」から「壇ノ浦」前夜という、源平合戦のハイライトが描かれている。 有名な那須与一のくだりも。 しかし本巻を読んでつくづく思うのは、平宗盛という人物の愚鈍さ。文官としてはそれなりだったのかもしれないが、軍官としては全くの無能。まるで選手が優秀なのにダメ監督のせいで勝てない...
「屋島」から「壇ノ浦」前夜という、源平合戦のハイライトが描かれている。 有名な那須与一のくだりも。 しかし本巻を読んでつくづく思うのは、平宗盛という人物の愚鈍さ。文官としてはそれなりだったのかもしれないが、軍官としては全くの無能。まるで選手が優秀なのにダメ監督のせいで勝てないスポーツチームのようである。 いや、吉川英治の人物描写が秀逸であるというべきか。
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今回は、屋島の戦いとその後の展開が描かれます。 義経と梶原景時の折り合いの悪さはいよいよ明らかになっていきます。一方、足並みがそろわないのは源氏方ばかりではありません。平家方も、総領の宗盛は父・清盛のような一族の長たる器でないことが明らかになり、そのことを自身も知ってか、一族の...
今回は、屋島の戦いとその後の展開が描かれます。 義経と梶原景時の折り合いの悪さはいよいよ明らかになっていきます。一方、足並みがそろわないのは源氏方ばかりではありません。平家方も、総領の宗盛は父・清盛のような一族の長たる器でないことが明らかになり、そのことを自身も知ってか、一族の者たちに警戒の目を光らせます。そして、清盛の義弟である時忠と時実の親子は、ひそかに義経との間に和睦の可能性を探りますが、そんな時忠らの動きに、宗盛や知盛らは不審を募らせていきます。 まだ平家滅亡までたどり着きません。重苦しい雰囲気もそのままです。
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さて、本巻では、屋島の戦いから壇ノ浦の戦い直前までを描く。人物模様が好きな私としては、あまり戦記を読むのが得意でなく、幾分か読みにくさを感じた。それでも、那須与一の扇の的や義経の弓流しなど名場面も多く、楽しむことも出来た。 扇の的のくだりで登場する女性について、本作品では玉虫と...
さて、本巻では、屋島の戦いから壇ノ浦の戦い直前までを描く。人物模様が好きな私としては、あまり戦記を読むのが得意でなく、幾分か読みにくさを感じた。それでも、那須与一の扇の的や義経の弓流しなど名場面も多く、楽しむことも出来た。 扇の的のくだりで登場する女性について、本作品では玉虫としているが、玉虫といえば、私が小学4年生の頃に見たNHKドラマ「武蔵坊弁慶」では弁慶の恋人役である。なるほど、あのドラマでの脚色だったのだ。もっとも、そのドラマでは扇の的で登場したのは、弁慶と玉虫の間にできた一人娘:小玉虫であったが。 また、その扇の的で玉虫と一緒に登場する老武者:十郎兵衛家員が、与一に射殺されるというエピソードは意外であった。戦闘の際中の一種の趣であるはずの扇の的だが、そのすぐ後にこんな凄惨なくだりは不要であると思うのだが…。まあ吉川流の脚色なのだろう。 また、総大将:平宗盛(清盛の三男)について。母時子の口から、「入道どのの胤でもなく、わらわの産んだ子でもない。」と出自を告げたシーンには驚いた。今までこうしたことに触れられておらず、単に鈍才な総大将という書かれ方をしていたが、実はそんな出自とは…。道理で、長兄の重盛ほどの器量もなく、弟の知盛や重衡ほどの勇猛果敢さもない訳である。2005年の大河ドラマ「義経」では、後白河法皇の落し胤というアングルで描かれていたが、それに近いものであろう。今年の大河ドラマ「平清盛」では時子が産んだ最初の子という描き方をしている。しかし、幼少期(清三郎)に泣き虫で弟(知盛)に励まされたり、時忠に「お前は寺へやられるぞ」と言われて凹んだりと、愚鈍なキャラは守られている。三つ子の魂百まで、か。 そんな愚劣な総大将宗盛に対し、すぐ下の弟(清盛の四男):平知盛はカッコイイ。勇猛果敢、冷静沈着というだけでなく、名目上の総大将である宗盛を場面場面でちゃんと立てて尊重しているのだ。もし、宗盛と知盛の生まれた順序が逆であれば、歴史は変わっていただろう。すなわち、これほど呆気なく平家が滅びることはなかっただろう。平知盛は、小学生時代以来、私の最もお気に入りの平家武将。NHKドラマ「武蔵坊弁慶」では隆大介が演じており、子供心に渋くカッコ良く感じたのを覚えている。(ちなみにそのドラマでの宗盛は長束京三であり、ヒール役だった。)2005年の大河ドラマ「義経」では阿部寛。彼もカッコ良く知盛を演じたいたし、宗盛を立てながら実質の平家統率を担っていた。(ちなみにそのドラマでの宗盛は鶴見辰吾 であり、嫌味な公達という設定だった。) さて、そんな平家もいよいよ次巻で滅びるのか…。吉川流の展開術が楽しみである。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
那須与一の扇の的や義経の弓流しなど面白いイベントが多いです。 3種の神器を巡る義経や時忠の駆け引きにも引き込まれました。 数的優位で言えば屋島で十分に勝機のあった平家ですが情報収集や時分を誤ったために更に窮地に追い込まれる。宗盛は苦労を知らずに平家の棟梁となったが清盛の様な苦労があればここまで一族を路頭に迷わす事がなかったのかな。
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平安末期頃~鎌倉までの滅びゆく平家、源氏との戦いを描いた全16巻の大作です。 続きが読みたくてつい夜更かしをしてしまう作品でした。
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