ファミリー・ダンシング の商品レビュー
ぬるいのね。そもそも持ってる本をわざわざ図書館で注文して借りてるってのが非常に私っぽく、こういうの避けようとしてやってるのにね、全くぬるぬる。 30年前の本。タイトルのまんま家族のドタバタを描いた短編で、どれも似てる作品。当時はこういう雰囲気が新しい感じだったのかなあ。他の作家...
ぬるいのね。そもそも持ってる本をわざわざ図書館で注文して借りてるってのが非常に私っぽく、こういうの避けようとしてやってるのにね、全くぬるぬる。 30年前の本。タイトルのまんま家族のドタバタを描いた短編で、どれも似てる作品。当時はこういう雰囲気が新しい感じだったのかなあ。他の作家に比べると、気張って気取ってない、サンダル履いてファミレス行ってる感じがぬるいし、その分生々しい。逆にこういうスタイルで書くっていうのは難しいんじゃないかなあー。女性の方が得意そう、と思ったが、そっち寄りの人でした。
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短編集です。テーマは家族。ゲイ文学で家族をテーマにした作品といえば、よくあるのは保守的な両親へのカミングアウトと決別ですが、これはそればかりの話ではなく、普遍的な家族のテーマを取り扱っている感じですね。とても面白かったし、家族に関していろいろ考えさせられる良作。 それぞれの家族の...
短編集です。テーマは家族。ゲイ文学で家族をテーマにした作品といえば、よくあるのは保守的な両親へのカミングアウトと決別ですが、これはそればかりの話ではなく、普遍的な家族のテーマを取り扱っている感じですね。とても面白かったし、家族に関していろいろ考えさせられる良作。 それぞれの家族の日常の一幕を切り取ったような話なのですが、短い話のなかで家族のメンバーそれぞれの考えや生き方がさらりと描写され、またそれがメンバー間で静かに複雑に絡み合っている様子を自然にみせられます。どの話をとっても愛情や嫉妬や憎しみに近い感情でお互いがんじがらめで非常に面倒くさいです。家族って本当にに面倒くさいですよね。家族がいなけりゃこんな悩まないんだよと。でも読んでいるととてもノスタルジックな気持ちになって、自分の子供時代のことが思い浮かんだりして、やっぱり家族はないとつまらないし寂しいのかも・・・とかそんな気持ちにもさせる味わい深い本です。 家族愛というよりは執着心、憎悪というより同族嫌悪といったように単純な感情ばかりではないのですが、文体は非常に簡素であっさりしていて重くなくスルスル読めます。淡々としているようで感情はしっかり掻き立ててくるタイプの語り口。 特に「残された日々」「犠牲者」表題作の「ファミリー・ダンシング」が好きですね。 ガンで余命宣告された女性とその子供たちとの話、両親の離婚の犠牲となる少年の話、離婚してお互い再婚した夫婦とその子供たちとの話。家族の外部にいる他人あるいは友人からみれば当たり障りのない人物だとしても、遺伝子を分け合っている家族の内部からみるとエゴにまみれてグロテスクな人間性にさえ見えてしまうこともある。でもそれがその人物の本性というわけでもなく、家族としての一面、人間性の自然な一面であるというようなそんなリアルがよく描かれていると思います。とくに「ファミリー・ダンシング」のリネットが個人的に妙に好き。器量が悪く子憎たらしい母が嫌いなパパっ子。けれどパパからの愛情は自分を通して別のものを見ていると薄々気付いていながら憧れることがやめられないそんな寂しさみたいなものがあってそこが可愛いんだ。 家族ってそもそも、愛という感情の結びつきから出発した夫婦が法的な契約関係を結んでできるっていう、出発点から矛盾をはらむ難しく不安定な関係なんだなって改めて感じました。
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間に何冊も挟んで読了が遅くなったが、短編集なので問題なし。作者のレーヴィットはゲイで、作品のほとんどにゲイが出てくる現代のアメリカ社会の話。日常を切り取って投げ出したタイプの作風で、結末も曖昧。それがいいという人もいるが、私は好みではない。
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