1,800円以上の注文で送料無料

徳川家康 軍荼利の巻(17) の商品レビュー

3.9

12件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    7

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2011/05/04

いつか読もうと思っていた作品。「豊臣秀吉」、「織田信長」はある程度知った気でいたので、戦国時代の三大英雄、最後の一人を知るためにと思い読み始める。 結果、非常に感動した。司馬遼太郎作品や池波正太郎作品、世の中の一般的な「家康像」を覆す作品であった。家康がなぜ天下を取り、そして江戸...

いつか読もうと思っていた作品。「豊臣秀吉」、「織田信長」はある程度知った気でいたので、戦国時代の三大英雄、最後の一人を知るためにと思い読み始める。 結果、非常に感動した。司馬遼太郎作品や池波正太郎作品、世の中の一般的な「家康像」を覆す作品であった。家康がなぜ天下を取り、そして江戸幕府260年の平和な時代を築けたのか、おぼろげながら理解できた気がした。 また、著者の目を通して描かれた「家康の思考法」に強く感銘を受け、自己統制の本としても傍に置きたいと思った。

Posted byブクログ

2010/05/23

ここにきて家康の精神がまた一歩「天下人」に近づく。 天下というか自分の生命まで含めた諸々を神仏からの預かりものとして理解しはじめる。 あと十余年の生涯でどこまで成長していくのか。 かつて中国攻めで秀吉と交渉した怪僧安国寺が再び策動する。 光秀謀反の折りに...

ここにきて家康の精神がまた一歩「天下人」に近づく。 天下というか自分の生命まで含めた諸々を神仏からの預かりものとして理解しはじめる。 あと十余年の生涯でどこまで成長していくのか。 かつて中国攻めで秀吉と交渉した怪僧安国寺が再び策動する。 光秀謀反の折りに初登場したガラシャが死ぬ。 正信の子の正純は表向きのことに口出すようになり、鳥居元忠は伏見で立派に戦って果てた。 結城秀康は大将が出来るくらいになり、秀頼は未だに幼い。 この糞長い小説は登場人物がどんどん生まれ、どんどん死んでいく。 無常感がどんどんと醸成され、家康の心境がとんでもなくよくわかる。 経営虎の巻と呼ばれたり、佐藤栄作に誉められたりしたわけが、家康が天下分け目の決戦前夜に至り、やっとわかってきた。 なるほど、天下取りの心境を知るのにこれよりいい手段はない。 出てきてはロクな死に方しない人々が命を教えてくれる。 人を相手にせず、天を相手にすると西郷と同じことを言い始めた家康。 山岡にここまで築かれてきた人物像がそう言うと、とても納得がいく。

Posted byブクログ