軍師竹中半兵衛 の商品レビュー
竹中半兵衛といえば、短い人生(36歳)で、稲葉山城の乗っ取り、秀吉の軍師としての活躍、そして晩年の松寿丸(黒田長政)の助命というのが印象に残っていますが、それらについて、よく描かれています。 半兵衛は秀吉の軍師ではありますが、生涯を織田信長の寄人として過ごしたというのは知りませ...
竹中半兵衛といえば、短い人生(36歳)で、稲葉山城の乗っ取り、秀吉の軍師としての活躍、そして晩年の松寿丸(黒田長政)の助命というのが印象に残っていますが、それらについて、よく描かれています。 半兵衛は秀吉の軍師ではありますが、生涯を織田信長の寄人として過ごしたというのは知りませんでした。なので、秀吉とのかかわりだけでなく、信長との関わりもちょっと出てきます。 ↓ ブログも書いています。 http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_f467.html
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採った中では最も長編なる重治像。著者名に惑わされてか、文芸色も最も色濃く映った。本文より先に一読した解説に「半兵衛のお市への想い」について触れられてあった為、「ここまでもが『お市さま……』か」と面白くない気分に先ず駆られたのだが、繙けばそれは、永遠の理想像として互いの心を暖め眼に見えないかたちで支え続ける類の「想い」であって、存在により作品のメインテーマが逸れることは一度も無かった。 作中では、羽柴秀吉と蜂須賀正勝の手柄として伝わることの多い墨俣築城の成功や、織田信長の考案とされている長篠合戦での鉄砲三段攻撃まで実は半兵衛が発案に因るものとされるなど、大軍師殿を持ち上げること限りない。一方で、当初「師」と仰いで半兵衛を迎えた秀吉の、己が功名と共に高じてゆく人間不信の様も、その矛先となった半兵衛の心情を軸として丁寧に描かれている。 読み進めるうちに、果たして秀吉というのは “人たらし” に於いては天下一品、誰をも魅了せずにおかない不思議な芸当を身につけて居たが、さて “人遣い” となると、巧妙だったとは一概に言えないな……と感じる。いつだったか私は「(人材を)遣うのは君主であって家臣ではない」と記したことがあるが、それも軽率な物言いだったように思われる。秀吉―半兵衛―官兵衛を観る限りは、巧く遣って居た、或いは巧く立ち回って居たのは、どうやら軍師陣のように映るのだ。 戦国史に興味を抱き始めた頃 “豊臣秀吉" は寧ろ好きな大名だったが、半兵衛(と官兵衛)を追ううちに、その像が徐々に別の輪郭為すのを感じて居る。 余談になるが、半兵衛唯一の側近として登場した “赤丸" という男の一粒種が、他家へ養子に出た末 “剣豪:伊藤一刀斎" へと長じた、という大胆な設定には意表を衝かれた。「まさか!」と早速NETに当たってみたが、彼の剣豪にそのような資料は見出せない。『木枯らし紋次郎』シリーズを著した筆者ならではの発想という処か。もしも実話だったのなら、養子斡旋元が半兵衛だっただけにとても興味深いのだけれど、この話はそれきりで終わっている。単なる挿話として挟むには何やら手が込んでいるから、当初はもっと踏み込むつもりが端折られたのか、それともこれを下敷きにまた別の物語が存在するのか――。
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初期の豊臣秀吉を支えた軍師・竹中半兵衛重治を描いた時代小説。 彼は何を感じ、どのように構想し、物事を定めているのだろうか。飄々としているが己の野心がある、笹沢さんの半兵衛にミステリアスな魅力を感じた。 後半の展開が笹沢さんっぽさなのだろうか。ためしに現代ものを1冊購入してみたが、共通していたのはこう…後半がいつのまにか滑空しているという印象。(2012/2追記) 【感じたこと】彼が作中で度々用いる言葉、“生きる張り”という単語を胸に残しておきたい。
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薄命の天才軍師。 長身だが色が青いほど白く、女のように優しい顔立ちの美男子だった。 という、ミーハーにはたまらない設定の竹中半兵衛が主人公の物語。 少年期を脱する頃から有名な稲葉山城奪取事件、秀吉との出会い、数々の戦での活躍、黒田官兵衛との友情などを経て36年の生涯を終えるまでが...
薄命の天才軍師。 長身だが色が青いほど白く、女のように優しい顔立ちの美男子だった。 という、ミーハーにはたまらない設定の竹中半兵衛が主人公の物語。 少年期を脱する頃から有名な稲葉山城奪取事件、秀吉との出会い、数々の戦での活躍、黒田官兵衛との友情などを経て36年の生涯を終えるまでが丁寧に描かれていて、引き込まれた。 飄々と何ものにも縛られず、己の生き様を貫こうとする半兵衛。 ひたむきに尽くした秀吉にすら理解されず孤独感にさいなまれながらも、最期まで軍師としての在り方を全うする。 読み物として面白かったし、読後感も爽やかで心地好かったのだが、どうにも秀吉がただの調子の良いアホに見えてしまったのは作品内の半兵衛があまりにすごすぎたからだろうか(苦笑)。
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竹中半兵衛重治。恐るべき男よ、と秀吉は言った。まるで当人みたいに信長というものをよく知っている。もし半兵衛を敵に回したら、これ以上恐ろしい人間はいなかった。立身出世を望まず、権勢といったものに関心を示さない。荒馬を乗りこなすのが楽しいだけで、馬を飼うのは性に合わぬと、半兵衛はいう。天下を治めるは馬を飼うことに似ている。信長、秀吉という荒馬を自在に乗りこなし、戦国を駆けぬけた一世の軍師、36年の生涯を描く大河小説。 2003年10月5日再読
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at first imp/ とにもかくにもおもしろすぐるっっっ!!!! 某アクションゲーにてとんでもねえ登場の仕方をした時はドン引きしましたが、それよりずっと以前にこれを読んでいてよかった…と心底安堵してしまいました笑 ちんまい頃から歴史小説はずっと好きだったんですが、この本で初...
at first imp/ とにもかくにもおもしろすぐるっっっ!!!! 某アクションゲーにてとんでもねえ登場の仕方をした時はドン引きしましたが、それよりずっと以前にこれを読んでいてよかった…と心底安堵してしまいました笑 ちんまい頃から歴史小説はずっと好きだったんですが、この本で初めて実在した武将をリアルに尊敬出来るなあと思いました。
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半兵衛は秀吉の家来かと思っていたが,そうではなく,尚且つ信長の家来でもなかった。 寄人といういわゆる客人みたいなものであったが,信長の天下布武の大いなる助けになったことは間違いない。 この小説では黒田官兵衛のことはあまり触れないが,司馬遼太郎の播磨灘物語での官兵衛と比べると,半兵...
半兵衛は秀吉の家来かと思っていたが,そうではなく,尚且つ信長の家来でもなかった。 寄人といういわゆる客人みたいなものであったが,信長の天下布武の大いなる助けになったことは間違いない。 この小説では黒田官兵衛のことはあまり触れないが,司馬遼太郎の播磨灘物語での官兵衛と比べると,半兵衛はスマートで眉目秀麗,官兵衛は泥臭く感じた(悪い意味ではない) 半兵衛は城を持ち,領土を広げることを目的にその軍略を用いたのではなく,ただその戦略という過程が楽しかったと言う。まあ,これはその戦略がことごとく的中する者であればそうかもしれない。ただ単に天守閣で巷を眺めるよりは,やりがいもあったろうに思う。 短命にして世を去ったが,いきながらえた場合,秀吉,信長,家康から最終的には敵視され,戦になったことと思う。歴史を見る時,タラレバはタブーだが,もっと生きて,その才を戦国時代で思う存分暴れさせてあげたかった武将だ。
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読んでるときは竹中半兵衛のキレ者っぷりにわくわくしてしまいますが、ふと我に返ったとき彼のあまりの暗躍ぶりにまるで秀吉が半兵衛の力に頼りっぱなしでのし上がったような印象が残ってしまいます。 これはこれで面白いですが、ちょっと超人すぎるのもアレですね。
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読了。 なんだか、軍師ってコンサルタントに似てるな。属してはいるけど、仕えてはいない。それゆえ、城や身分はもらえない。その代わり、自由!驚くべき発想は、ポジションの自由さに起因するのではないか。だとしたら、出世を目指す武士は皮肉だ。
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国を平らげることよりも荒馬を乗りこなすような生き方を選ぶ半兵衛。そしてその策は溜め息がもれる程に見事。「軍師」の魅力を堪能できる作品です。
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