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遥かなる異星より愛を込めて の商品レビュー

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2019/12/02

 トレビ文庫なるレーベルから出ているファンタジー小説。  あまりヤル気を感じさせないふざけた脱力系かと思って長い間放置していたのですが、意外とマトモでした。    日本人に人気が高いというジェイムズ・P・ホーガンの『ガニメデの優しい巨人』という本格SFがあります。  本書はさしず...

 トレビ文庫なるレーベルから出ているファンタジー小説。  あまりヤル気を感じさせないふざけた脱力系かと思って長い間放置していたのですが、意外とマトモでした。    日本人に人気が高いというジェイムズ・P・ホーガンの『ガニメデの優しい巨人』という本格SFがあります。  本書はさしずめその和製文系版とでもいうべきものでしょうか。  アホホなる惑星から宇宙人がやってきて地球人との交際を求めるというファーストコンタクトな話。  本作品では宇宙人から交際の代表として選ばれた心理学系の教授が色々な体験をします。  アホホ星人は関節が柔らかく肌が透き通るようにきれいで、死ぬと泡になってしまいます。  もちろんホーガン先生のように専門的なスケールの大きな理論とはいきませんが、惑星上に発生した生物が進化をした過程を文系は文系なりにアバウトに描いています。文系らしく言語の文法については少々詳しく説明されておりますですです。  ただ、終わり方が少々中途半端というか尻切れトンボというか投げやりというか。  ホーガン先生は異種生命との交流を大きなスケールで描きましたが、本作品ではそこまで至らず、あくまでも人類代表の学者先生止まりです。その後の展開が気になるところです。そこまでは考えていなかったのかそれとも続編の構想を練っておられたのか。     本書は平成初期のある時期、山陰地方の古本屋でかなりの頻度で見かけられたと思います。  本作品の著者は島根大学の心理学教授のようです。  小滝 信夫名義で出された小説に続編を加えて新たに出版されたようです。  ペンネームが著名な作曲家と同じなのはどういうわけなんでしょうか。  ペンネームにしろあらすじにしろ投げやりでプロデュースにヤル気がないような感じがしますが、さすがに教授を務めるだけあって意外としっかりした作品だったと思います。教授の道楽の自費出版だと思わず、当時の教え子の皆様の間でも再発掘して思い出を偲んでいただきたいものです。 (以上はあくまでも私個人の感想です。本格SFマニアの皆様による「騙された」の類いのクレームはご遠慮下さい)    https://diletanto.hateblo.jp/entry/2019/12/02/202306

Posted byブクログ