叫ぶ私 の商品レビュー
叫ぶというか、この作…
叫ぶというか、この作者自体が自分を、流行作家であって、本物の文学をかけないと自分で悟っていたというのがつらいですね。
文庫OFF
カウンセリングを学んでいるので、参考になればと思って手にとった本です。 作家・森瑤子さんのセラピー記録です。 森瑤子さんといえば「才能にあふれ、ヒット作を次々と生み出し、外国人の夫と可愛い娘3人に囲まれているだれもがうらやむゴージャスな女流作家」というイメージでした。 何をそんな...
カウンセリングを学んでいるので、参考になればと思って手にとった本です。 作家・森瑤子さんのセラピー記録です。 森瑤子さんといえば「才能にあふれ、ヒット作を次々と生み出し、外国人の夫と可愛い娘3人に囲まれているだれもがうらやむゴージャスな女流作家」というイメージでした。 何をそんなに生き急いでいるのだろうと思うほど作品を量産し、そして風のように早世してしまいました。。。 しかしこの本を読むと、彼女が夫のことや娘のことなどでもがき苦しんでいた様子がよくわかります。 これだけの苦しみを抱えていたからこそ、おそるべきエネルギーで作品を書き続けることができたのでしょう。 その苦しみの原因は、はっきりはしないのですが。。。 彼女は非常に真面目で責任感の強い人です。 あんなことも、こんなことも、全部自分のせいとして背負い込んでしまうような人。 文脈から察するに、子どものころ、母親から精神的に虐待を受けていたようなのです。 それが原因で、何かにつけて自分を責めるようになってしまったのかもしれません。 この本を読む限り、彼女の奥底には「死にたい」という願望があったように思います。 それでも、まだまだ書きたいテーマがたくさんあったことでしょう。 彼女こそが「ハンサム・ウーマン」なのでした。
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森瑶子という作家の深奥なる魂の声。 それを受け止めるセラピストとの対話。 読みながら自分が癒されて行きました。 森さんの「自分の状態を見事に言葉にして行く力」と「観察する能力」を讃えたセラピストのあとがきに様々な想いをくみとります。 作家がこのように自己の内面を表出すること。 ...
森瑶子という作家の深奥なる魂の声。 それを受け止めるセラピストとの対話。 読みながら自分が癒されて行きました。 森さんの「自分の状態を見事に言葉にして行く力」と「観察する能力」を讃えたセラピストのあとがきに様々な想いをくみとります。 作家がこのように自己の内面を表出すること。 それは作家の役割を越えた行為。 ある意味で己を投げ出しての「読者の救済」にすら思われます。
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著者はプロローグでこう書いている。 「私は自分の傷口や恥をさらすことを恥ずかしく思ったり 躊躇することはもうない。 それは小説を書こうと最初に思った時に、既に選択がなさ れているのである。」 (本文・プロローグより) 凄い言葉だ。 そして、この作品は、著者が半年間通ったセラ...
著者はプロローグでこう書いている。 「私は自分の傷口や恥をさらすことを恥ずかしく思ったり 躊躇することはもうない。 それは小説を書こうと最初に思った時に、既に選択がなさ れているのである。」 (本文・プロローグより) 凄い言葉だ。 そして、この作品は、著者が半年間通ったセラピーの記録だ。 森さんご本人と、セラピストのやりとりを録音しそれを、 書き起こしたものだという。 虚飾も虚栄もそれに類する要素はすべて排除されている。 裸の著者の心が、そのまま目の前に迫ってくる。 読了まで、結構時間を擁した。 まず私自身の幾種もの黒々とした心にも毎回対する事になるし、 腹を決めて、こちらも心をフラットにして臨まないと、入って いくことが出来ないからだ。それは長く潜水する前に、深く 息を吸いこむ事にも似た種類の事だ。 今、森瑶子をすべて読もうと試みているが、まだ初期の現段階で これを読んで良かったと、心から思う。 全然、以後著作への対し方が変わってくると思うから。 著者の事、そして自分の事をより知る上で、良かった。
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