魔剣伝説(1) の商品レビュー

P.フィッシャー【著】,林田康一【訳】

2024/09/07

6人の孤児たちが育ての親の老魔術師の死とともに、魔剣を手に入れ、世界を冷気で覆わんとする悪の魔術師と対決する、という王道も王道のヒロイック・ファンタジー。各種ネーミングが思いっきり指輪の亜種。作者が高校の際に書いたとのことで、約半世紀前のなろうか。冒険の大半が厳しい旅の描写なのも指輪っぽく悪くはないのだが、決戦シーンが説明だけで終わる脅威の展開。また、主人公のモールが若気の至りを通り越してバカ気の至りに至るほどの言動。しかし、ここは作品の拙さあげつらうのではなく、作者の若さを楽しむのだ。

2017/02/14

著者が若くして書いた作品らしく、おそらくは推敲も構成も
あまりしていないのだろう。お話が行き当たりばったりで
進んでいく印象はぬぐえないし、ご都合主義が目立つ箇所も
少なくない。だがそれに負けないくらいの魅力も持ち合わ
せていると思う。爽快な読後感。まぁ行き当たりばったりや
ご都合主義に目くじら立てるヒロイック・ファンタジー読み
はいないと思われるしね(笑)。ヒロイック・ファンタジーと
いうジャンルを使ったジュヴナイルといったところか。少し
プリデインを思い出しました。

2巻「魔女復活」に続きます。

2013/08/27

黒魔術師・《闇の王》アマールが支配する国ペスタンは、いまやゴブリンがうろつき、一年じゅう冬の嵐が吹き荒れていた。そんなペスタンの一画、雪と氷の山モン・ケスの洞窟で、老師ローンの保護のもと6人の孤児が暮らしていた。ローンの死後、偶然《魔法の剣》を手に入れた孤児たちに忍び寄るアマールの影。《魔剣》の秘密をつきとめようと、年長のモールを先頭に白魔術師を訪ねる6人の旅は、いつしかアマールに戦いを挑む旅に…。スリル・ユーモア・友情あふれる冒険ファンタジー。