竜馬がゆく(5 回天篇) の商品レビュー
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「おれは日本を生まれかわらせたかっただけで、生まれかわった日本で栄達するつもりはない」 「こういう心境でなければ大事業というものはできない。おれが平素そういう心境でいたからこそ、一介の処士にすぎぬおこれの意見を世の人々も傾聴してくれた。大事をなしとげえたのも、そのおかげである。」 「仕事というものは、全部をやってはいけない。八分まででいい。八分までが困難の道である。あとの二分はたれでも出来る。その二分は人にやらせて完成の功を譲ってしまう。それでなければ大事業というものはできない」 竜馬の姿勢に胸を打たれた、全5冊でした。 司馬遼太郎先生の読みやすさに感謝。
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幕末の坂本竜馬に焦点を当てた歴史小説。 何を書いてもネタバレになるので内容については触れません。 史実に沿いながらも、会話や態度についての描写はほぼ著者の想像力の産物で、フィクションだけにとても生き生きと描写されている。 時折著者自身の事などが混じりこんでくるあたりはご愛嬌。 登...
幕末の坂本竜馬に焦点を当てた歴史小説。 何を書いてもネタバレになるので内容については触れません。 史実に沿いながらも、会話や態度についての描写はほぼ著者の想像力の産物で、フィクションだけにとても生き生きと描写されている。 時折著者自身の事などが混じりこんでくるあたりはご愛嬌。 登場人物は非常に多いが、各人物については説明されるので分かりやすい。 地名も多く登場し、こちらはあまり説明がないので分かりにくい。地図や予備知識がある方が楽しめると思いました。 著者にハラハラさせようという意識があまりないらしく、劇的な内容な割には単調な気がして読んでいて眠くなることがあった。 歴史を知るという意味において全ての人におススメです。
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読んじゃった。ここまで夢中で読んできたので、 終わってしまって一抹の淋しさが。しかも竜馬の暗殺で 終わるし。救いになったのは、司馬氏の語りのような書き方とあとがきがあったこと。全巻いずれも巻末にあとがき があったのがよかった。しみじみ、司馬さんがこれだけの 思いを竜馬に抱いてくだ...
読んじゃった。ここまで夢中で読んできたので、 終わってしまって一抹の淋しさが。しかも竜馬の暗殺で 終わるし。救いになったのは、司馬氏の語りのような書き方とあとがきがあったこと。全巻いずれも巻末にあとがき があったのがよかった。しみじみ、司馬さんがこれだけの 思いを竜馬に抱いてくださったから、この作品があるわけで、おかげで龍馬のようなひとがかつていた、と今日思えることがうれしい。
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池田屋あたりから1次長州征伐まで。長州が没落して一気に薩摩が出てくるのが面白い。猪突猛進型の長州に対して外交が匠の知的な薩摩、この両藩が手を組めば形骸化した幕府も倒されて当然と思ってしまう。それにしても池田屋事件は本当にあったのかよと思うくらいよくできてる。MVPは山崎でしょな。...
池田屋あたりから1次長州征伐まで。長州が没落して一気に薩摩が出てくるのが面白い。猪突猛進型の長州に対して外交が匠の知的な薩摩、この両藩が手を組めば形骸化した幕府も倒されて当然と思ってしまう。それにしても池田屋事件は本当にあったのかよと思うくらいよくできてる。MVPは山崎でしょな。正直、竜馬が関わる話より史実の事件の話の方が面白かった。竜馬はまだ表に出てない。
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坂本竜馬念願の私設海軍「海援隊」の誕生。 その初仕事ぐらいで紀州藩いろは丸との海難事故。ただでは転ばず天下の紀州藩から損害賠償を勝ち取る。 と、同時に、平和的討幕運動の切り札である大政奉還成立に向けて、天馬の如く日本を駆け巡る。 大政奉還成立後、新政府の人事などの根回しを終...
坂本竜馬念願の私設海軍「海援隊」の誕生。 その初仕事ぐらいで紀州藩いろは丸との海難事故。ただでは転ばず天下の紀州藩から損害賠償を勝ち取る。 と、同時に、平和的討幕運動の切り札である大政奉還成立に向けて、天馬の如く日本を駆け巡る。 大政奉還成立後、新政府の人事などの根回しを終えた。その後、近江屋という旅籠で暗殺された。 未来から来たんじゃないの?と思ってしまうほど、先進的な思想の持ち主だった坂本竜馬。凄い人物だ。 討幕運動の最大の功労者にも関わらず、新政府には積極的に関わろうとしなかった坂本竜馬。そんな彼に西郷隆盛はなぜかと聞いた。そして竜馬は「世界の海援隊でもやる」と答えた。この一言に竜馬の本質が全て込められていると作者。確かに思い起こせば本書一巻から竜馬のそういう性質が感じられた。それを本質だと思い、表現できる作者も凄いと思った。
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これまで歴史小説には手を出してこなかったけど、面白かったです(o^^o) 〆がアッサリしててイイですね。
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日本史で大政奉還は成功すると知っていますけど竜馬達が奔走するのを見て、この後どうなるんだろうとドキドキハラハラしながら読みました。 一番印象に残ったシーンは月並みですが竜馬と中岡慎太郎の暗殺について触れている所です。 最期の描写が始まる直前、司馬先生の語りで 『暗殺者という思慮と情熱の変形した政治的痴呆者のむれをいかにくわしく書いたところで竜馬とはなんの縁もない。そのためこの小説ではかれらの白刃のひかりに触れるのみにとどめる』 という淡々とした一文が一層、暗殺に対して興味を抱きました。 あとがきで暗殺について詳しく述べられていますが、司馬先生の執筆の余熱というより読者の興味を満足させる為に加えられたもののように思えました。
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大政奉還が終わったあと、著者の文章の雰囲気が変わる。急に空が暗くなり、冷たい風が吹いているかのような空気を漂わせる。まるで龍馬暗殺を暗示するかのようであった。
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これはお知り合いが「ラストが一番好き」だと言っていたけれど、わたしも同感です。竜馬の人生は後半生でふつふつと盛り上がって、急に行燈の灯が消えたみたいに消えてしまう、そういう儚い、だけどきらきらした人生だった。大政奉還という大事業も終えて、あとは自分の夢に向かって、もう止まらないと...
これはお知り合いが「ラストが一番好き」だと言っていたけれど、わたしも同感です。竜馬の人生は後半生でふつふつと盛り上がって、急に行燈の灯が消えたみたいに消えてしまう、そういう儚い、だけどきらきらした人生だった。大政奉還という大事業も終えて、あとは自分の夢に向かって、もう止まらないと思えた竜馬の身に突然降りかかる災難。「竜馬がゆく」と書いてある間にも、どこかにちらつく死のニュアンスが、この物語が終わりに近づいてるよと知らせてる。不条理だけど、そんな不条理が紡ぎだす叙情がたまらなくいいです。 読んでよかったと思える一冊だった。
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【メモ】後藤象二郎・竜馬「海援隊」・岩崎弥太郎・いろは丸事故裁定・中岡慎太郎「陸得援隊」・岩倉具視・大政奉還・暗殺(犯人不明)
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