死の舞踏 の商品レビュー

マーヴィンピーク【著】,高木国寿【訳】

2014/06/23

『ゴーメンガースト三部作』で知られるマーヴィン・ピークの怪奇幻想短篇集。
三部作では異形の城を舞台に、ディケンズ的な登場人物が織りなす群像劇を描いたピークだが、短篇集では船上という閉鎖空間を舞台にしたものが印象的だった。思えば異形の城ゴーメンガーストも、規模は違えど閉鎖空間には違いなく、作家ピークの拘ったモチーフなのではないだろうか。
冒頭の『灰のひと撫で』は叙情詩を思わせる文体の小品で、ストーリーもさることながら、歌うような文章が面白い。
表題作ともなった『死の舞踏』は船上を舞台にしているわけではないが、正統派の英国怪談らしい逸品で、こちらもかなり好み。

2009/10/04

「ゴーメンガースト」のピークの短編集。
ゴーメンガーストの原型的作品「闇の中の少年」をはじめ、想像力の極北を垣間見させる珠玉の小品の数々!