あけがたにくる人よ の商品レビュー

永瀬清子【著】

2024/05/01

私小説的な詩で、読み進めていくと永瀬清子その人自身が浮かび上がってくる。
老いてから書かれていて、『老い』そのものがテーマにもなっている。そんな詩が集まると大迫力。続けざまには読むのがもったいないしエネルギーを使うので一晩に一編ずつ読む。

表題作も良いが、何より「女の戦い」が大傑作。
この一編だけで２ヶ月かかったらしい。
男女問わずみんなに読んでもらいたい。

40代でこの詩集に出会った。若くもないが老いてもいない。
10年周期くらいで読み返したい。
老いていく私はどう感ずるのだろうか。

2023/11/18

詩を書いているのならこの人の詩は読まなくちゃ、と言われ、「へー」と思っていたら、母が朗読でこの人の詩を読んでいて、その詩が気になって母に借りて読んでみた。
正直、この詩人さんの生き方が私には合わないと感じる。
だけど、この詩人さんの書くことへの、詩への姿勢はすごく好きだと思った。
そして書かれている言葉の並びのうつくしさも、見惚れた。
後半に行くにしたがって詩が好きなものになっていく。
タイトルが素敵だ。