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「3」の思考法 の商品レビュー

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2016/01/16

 「1」という数から「2」という数となるとその性質はガラッと変わる。「1」は単数であり「2」以上は複数。単数はそれが消えたり失ってしまえばそれまで。複数であればそうした事態に陥っても「残るもの」はある。しかし多数を維持するコストというものもあり、複数の最も小さい自然数が「2」。こ...

 「1」という数から「2」という数となるとその性質はガラッと変わる。「1」は単数であり「2」以上は複数。単数はそれが消えたり失ってしまえばそれまで。複数であればそうした事態に陥っても「残るもの」はある。しかし多数を維持するコストというものもあり、複数の最も小さい自然数が「2」。こうしたことを考えて「2つ」という数は日常において最も選択されやすい数字ではないだろうか。例えば、日常使っているものの予備を確保しておくことはその物を「2つ」所有することになる。この状態は完全に安心するというわけではないが、先述のコストとの兼ね合いから納得のいく状態であろう。しかし、どうもこの「2」という数は「安定」という観点からみると決して有用な数字ではないのではないか。そう考えていた矢先に見つけたのが本書である。  2つか1つかを選択する場合において、「安定」という観点からみれば「1」という数字に軍配が上がりやすいように思う。これは「邪魔するものはいない」という安定であろう。当然これは至極危険な考えで、当該対象に暴走を許すことになるし、それがコケれば後釜はいない。そこで二つのものを対立させることによってシーソーのごとく安定を図るという発想が生まれてくるのであろう。しかしそれは両者の重さが拮抗している場合にのみ言えること。片方が弱ければ実質的な独占となる。そこで「3」という概念。両者ともに選択できないのならば「第三の選択」。両端の安定性が極まっていないのならば「三つ巴」。「三大なんとか」や「ホップ・ステップ・ジャンプ」などなど。すべてが「3」に収まるとは言わないが、まとまりのある概念であるということは間違いないのではないだろうか。  こうして「複数」というものを考えてみると「単数」という概念についても考えが深まる。「かけがえのない」あるいは「唯一無二」といった形容詞が付けられて然るべき物事にはいかなるモノがあるか。そこから自分が今何をどの程度必要であり欲しているのかも分かるような気がする。さらに、思想というものは「正しいか否か」よりも「有用か否か」に価値があるということもいえるのではないだろうか。

Posted byブクログ

2010/09/14

「3」の美しさ、安定性 全て納得です。 私が最も考えさせられたのは、 「第三の目」です。 私は日常をこよなく愛する人間です。 いつもと同じ時間に いつもと同じことをする。 いつもと同じ店の いつもと同じ席で いつもと同じメニューをオーダーし いつもと同じように読書をする。 ...

「3」の美しさ、安定性 全て納得です。 私が最も考えさせられたのは、 「第三の目」です。 私は日常をこよなく愛する人間です。 いつもと同じ時間に いつもと同じことをする。 いつもと同じ店の いつもと同じ席で いつもと同じメニューをオーダーし いつもと同じように読書をする。 それを否定するつもりもないし、 それをやめようとも思わないし、 そういう自分が好きです。 でも、 「日常性からの脱却が、さびついた脳に刺激を与える」 というのも正しいと感じます。 第三の目は、確かに私の中でもっと発達させたい分野です。 明日、いつもと違うことをしてみようと思いました。 小さなことから。 たとえば、 職員室から教室へ 西側の通路から行ってみる。 第三の目でいつもは見えないものが見えるはずですね。 ところで第二の目って何だ?

Posted byブクログ