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女と男 の商品レビュー

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2017/05/05

表題作「女と男」は、仕事や過去の男たちにまつわる苦い思い出を抱えながらマレーシアの海岸でヴァカンスを過ごす日本の女性教師と、現地で出会った男たちとの出会いと別れを描いた連作短編です。 他に、「エアポートは、雨」「イン・ザ・ホテルルーム」「真夜中の会話」「湖」という4つの短編を収...

表題作「女と男」は、仕事や過去の男たちにまつわる苦い思い出を抱えながらマレーシアの海岸でヴァカンスを過ごす日本の女性教師と、現地で出会った男たちとの出会いと別れを描いた連作短編です。 他に、「エアポートは、雨」「イン・ザ・ホテルルーム」「真夜中の会話」「湖」という4つの短編を収録しています。これらはいずれも、大人の男女の関係を描いた作品と呼ばれるのかもしれませんが、少し距離を置いて眺めてみると、すれ違う登場人物たちの会話の刺々しさにむしろ子どもじみた印象を受けてしまいました。また「湖」に関しては、ストーリーが過剰に作り込まれているせいで、かえって登場人物の造形が平板に思えてしまいます。重い男女の関係を、軽いドラマ仕立てで描き出すところに、著者の作品の魅力があると個人的には思っているのですが、この作品に関してはむしろそうした著者の工夫が裏目に出てしまっているような印象があります。

Posted byブクログ