ジョークの哲学 の商品レビュー
笑いネタ、とくに「うまい」ものであればあるほどその解説を詳しくしてしまうとシラけてしまうことが多い。しかし、そこを我慢して分析してみないことには「笑いの仕組み」を理解することはできない。本書はそんな葛藤を抱きつつ「笑い」についての考察をする。 「ジョーク」はそれを創ることに...
笑いネタ、とくに「うまい」ものであればあるほどその解説を詳しくしてしまうとシラけてしまうことが多い。しかし、そこを我慢して分析してみないことには「笑いの仕組み」を理解することはできない。本書はそんな葛藤を抱きつつ「笑い」についての考察をする。 「ジョーク」はそれを創ることにも味わうことにも予備知識がいる。逆に言えば、おもしろいジョークを言えたり、あるいは他人のジョークに吹き出したりすることができれば、自分の引き出しが形成されていることになる。理屈抜きの笑いというものもあるが、そのカラクリには人間の深層心理が関わっていることは想像に難くはない。「笑う」ということは、個人あるいは、民族や集団の精神性を表面化するものなのだろう。微笑、苦笑、爆笑、軽蔑の笑い、幸せの笑い、どんな種類の笑い、もっと広くは人間の表情というものはそうした現象なのではないかと思う。 それなりに古い本なので、全体的にジョークは寒いものが多いような気がするが「笑う」ということに対する本質はよく理解できる。そもそも「ジョーク」と呼称されてきた言葉の数々は「おもしろい」ものもあるが、「うまい」というものも多い。政治、経済、化学などの分野から専門性の高いジョークがそうしたものであるが、こういったものに触れることによってその分野の雑学も獲得することができるのは、本書のちょっとした副次効果だろう。著者自身も各分野に触れるたびに提示している個人的な見解もおもしろい。 「笑い」「ジョーク」といったものは「おもしろい」では完結しない深い構造と意義があることに気づくと、世の中の物事をもっと楽しめると思う。
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ジョーク、笑いについて分析した本です。 後書きに当たる最終章に「実存主義の哲学が切り拓いた「不条理」の概念と、ジョークの意味論的な分析をつなげてみることが、本書にかけた哲学的な狙いである」と書かれており、笑いの本質に迫るような深い洞察がときに見られますが、多くはレトリックやメタ...
ジョーク、笑いについて分析した本です。 後書きに当たる最終章に「実存主義の哲学が切り拓いた「不条理」の概念と、ジョークの意味論的な分析をつなげてみることが、本書にかけた哲学的な狙いである」と書かれており、笑いの本質に迫るような深い洞察がときに見られますが、多くはレトリックやメタファーの観点からジョークの分類と分析をおこなう議論になっています。 ただ、ジョークについてなぜおもしろいのかを解説してもあまりおもしろくないという当たり前のことを確認させられたような印象もあります。
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どう哲学に絡んでいるのかはよく分からなかったけど、ジョークの数々は面白かったです。古今東西ジョークは普遍的なのね。 確かにジョークのなにが面白いのか、どこで笑うのかは不思議だ
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なんか、わかりにくい。 ギャグが古風で、どこで笑えばいいのかよくわからないものばかりで、途中で飽きた。
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