1,800円以上の注文で送料無料

花衣(はなごろも)ぬぐやまつわる… の商品レビュー

5

2件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    0

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/12/15

物性研の所内者、柏地区共通事務センター職員の方のみ借りることができます。 東大OPACには登録されていません。 貸出:物性研図書室にある借用証へ記入してください 返却:物性研図書室へ返却してください

Posted byブクログ

2023/06/27

松本清張の「菊枕」を読んで、杉田久女に興味を持った。女流俳人が珍しかった大正時代に、高浜虚子に認められ優れた句を読んだ女性。だがいつしか虚子に疎まれて狂死した女性と書かれていた。いわゆる久女伝説といわれるものだ。 でも、田辺聖子さんの丁寧な取材と柔らかな文章では、かなり印象が違っ...

松本清張の「菊枕」を読んで、杉田久女に興味を持った。女流俳人が珍しかった大正時代に、高浜虚子に認められ優れた句を読んだ女性。だがいつしか虚子に疎まれて狂死した女性と書かれていた。いわゆる久女伝説といわれるものだ。 でも、田辺聖子さんの丁寧な取材と柔らかな文章では、かなり印象が違っていて面白い。 実直で、興味のあるものには一心不乱。押しが強いところがあるのに、不思議と優柔不断でもあり、歳を重ねても初心で世間知らずなところもある。 「空気を読めない」「コミュ障」など人や自分を断じる言葉が多くなったけれども、田辺さんの文章を読むと、人の複雑さをまるごと受け止めようとする器の大きさを感じる。 久女のことを「必要以上に素直」「子供のように迂闊」「はらはらする」など、その不器用さを身内のことのように心配しながら、同じ言葉の世界で生きる女性の先駆者として、尊敬の気持ちも決して忘れず書かれてる。その距離感がとても素敵だなと思った。 もうひとつ面白かったのが高浜虚子と、当時の俳壇の閉鎖性。明治から昭和初期にかけての話とはいえ、滑稽というか子供っぽいような気もするほど。 今度は高浜虚子に小説や評伝を読んでみたい。

Posted byブクログ