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時のアラベスク の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2012/05/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

第7回横溝正史ミステリ大賞受賞。 ひとことでまとめると「盗作作家の末路」。主人公の亮くんは、よくこんな癇癪持ちの慶と友達やってきてたよなぁ。謎は手紙によって解決されるし、全然ミステリーじゃないんだけど。アンニュイな雰囲気がステキ。日の差さないボロアパートの一室でさえ美しい。そんな部屋はGが出るだろ、とか思っちゃうんだけど。 文章も読みやすく、ついつい先を読み進んじゃう。 睦月、如月・・と旧暦で章が分かれるんだけど、師走じゃなくて極月という言い方があるんだって初めて知った。

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2012/03/22

初々しい感じがする。平坦な感じもする。 抑揚があまりなくて、淡々と静かな夜みたいな印象を受けた。『魔物たちの夜』みたいなかんじ。 憂鬱な物語。今まで読んだ服部まゆみの作品とは、少し違うなと思ったけれど、最後に向かっていく毎に救われなさが色濃くなるのはデビューの頃からなのかと思った...

初々しい感じがする。平坦な感じもする。 抑揚があまりなくて、淡々と静かな夜みたいな印象を受けた。『魔物たちの夜』みたいなかんじ。 憂鬱な物語。今まで読んだ服部まゆみの作品とは、少し違うなと思ったけれど、最後に向かっていく毎に救われなさが色濃くなるのはデビューの頃からなのかと思った。 最後の一行が重かった。その一行で泣いた。 虚しくて、重苦しくて、でも好きだなぁと思う。 愛情の擦れ違いみたいな、目の前にいて手も繋げなくてそのままさようならというような悲しさとか恋しさが、彼方此方で起こっていて、でもそれを隠していくんだなと考えると、読んでいる此方も悲しくなってくる。 それで、最後の一行があれだから、泣いてしまった。

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2010/08/18

イメージ参照(http://blogs.dion.ne.jp/kentuku902/archives/6294632.html) 横溝正史賞(1987/7回)

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2009/10/07

服部まゆみでビュー作品。 これを最初に読むと「服部まゆみは難しそうな作家」と感じてしまうかもしれない。 文章はまだまだ読み辛いところもあるし、こなれていないけれど、だが、そのたどたどしさがうまい味になっている。 銅版画家なのに、なぜここまでイメージを言葉にすることに情熱的なの...

服部まゆみでビュー作品。 これを最初に読むと「服部まゆみは難しそうな作家」と感じてしまうかもしれない。 文章はまだまだ読み辛いところもあるし、こなれていないけれど、だが、そのたどたどしさがうまい味になっている。 銅版画家なのに、なぜここまでイメージを言葉にすることに情熱的なのだろう。 しかしながら、処女作から最新作まで読むと、「今生きていればどんな作品を残したのだろう」と思ってしまう。

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2009/10/07

雰囲気がなかなか好きかも。ラストもよかった。この作家さんを読むのは2作目。他の作品も読んでみなくちゃ! 2009.2.25

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2011/09/07

 服部まゆみさん追悼のために、久々に再読する。1987年の第7回横溝正史賞受賞作。「デヴュー作品には、その作家のすべてがある」とはよく耳にする言葉だけど、真実だなあとしみじみと痛感した。  小説の内容に沿う形で現実に事件が起こって、何人もの人間が死んでいく。探偵の真似ごとをする人...

 服部まゆみさん追悼のために、久々に再読する。1987年の第7回横溝正史賞受賞作。「デヴュー作品には、その作家のすべてがある」とはよく耳にする言葉だけど、真実だなあとしみじみと痛感した。  小説の内容に沿う形で現実に事件が起こって、何人もの人間が死んでいく。探偵の真似ごとをする人間がいるものの明確な探偵がおらず、主人公が傍観者でしかないのが今読むともどかしいのだが、とにかく犯人探しよりも、構築された独特の耽美的世界が強烈で、全編を覆う物憂げで陰鬱で退廃的な雰囲気にうっとり耽溺してしまう。ロンドンのダンジオン、ロンドン塔、パリのカタコンベ、そしてベルギーのブリュージュ。ベルギー象徴主義のクノップフの幻想的な絵が、これほどまでに印象的に有効に使われていたとは、驚きだわ!  今回読んで再確認したのは、作品の根底に芸術至上主義的美意識があったこと。デヴュー作品からして、服部まゆみは服部まゆみだったのか。胸が熱くなるのと同時に、これほどの方がもういないなんてと、ますます悲しみが深くなった。大好きだったのに(涙)。 この作風は好き嫌いあるでしょう。万人にはススメません。好きな人だけ、読めばよろしい。

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2009/10/04

銅版画家服部まゆみの作家デビュー作。単行本の装画は本人作で美麗。状態のいいのがあれば文庫よりおすすめ。

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