孫悟空の誕生 の商品レビュー

中野美代子【著】

詳しすぎてわからない…

[文庫ＯＦＦ]

詳しすぎてわからない部分もややありましたが、これで定価の１０５０円は安すぎると思うほど充実した内容になってました。

サルの孫悟空が活躍す…

[文庫ＯＦＦ]

サルの孫悟空が活躍する「西遊記」は如何にして誕生したのか?学者の手になる中身の濃い本。

2018/02/27

以前、高藤聡一郎が、(西遊記の著者とされている)呉承恩が仙道の達人であり、西遊記自体も仙道書であることをムーで書いていた。

　勿論、中野氏は作者が呉承恩だとも李卓吾だとも、いや単一の人間が著したという説を否定しているし、
　本書では、西遊記の仙道の部分ではなく、サルをキーワードに、仏教的世界観からのアプローチをしているし、

「孫悟空が仏弟子である為には、猿(エイプ　類人猿)ではなく、猴(モンキー　マカカ属のサル)でなければならなかった」という説が展開するし、
金蝉子玄奘三蔵の、仙道的部分ではなく、インド人の三蔵法師からのキャラクターが持ち込まれた可能性等、仏教伝説の体系としての部分を論証しているし、
　その他仏教的な世界観での話であるにも拘らず、一行が大陸が違うはずの長安から陸路を通って雷恩寺へ至るテキスト上の矛盾はついても、
五行説によるキャラクターの分析はしていないし、マンドラゴラ伝承の伝播の系譜まで登場もするのだが。

　中国人が「ある種の外国人」として認識する、手長猿は、気息が特殊であるという動物誌を紹介はしている。

2009/10/04

以前、高藤聡一郎が、(西遊記の著者とされている)呉承恩が仙道の達人であり、西遊記自体も仙道書であることをムーで書いていた。