アポリネール傑作短篇集 の商品レビュー
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二度買って二度処分した(!)『異端教祖株式会社』で 既読の作品も収録されているけれど、 ふと気が向いて、こちらの古本を購入。 懐かしかったり「何じゃコリャ」と半笑いになったり。 軽妙というか、独特な能天気さが滲み出ているが、 キリスト教について勉強していなくて知識がないので、 そ...
二度買って二度処分した(!)『異端教祖株式会社』で 既読の作品も収録されているけれど、 ふと気が向いて、こちらの古本を購入。 懐かしかったり「何じゃコリャ」と半笑いになったり。 軽妙というか、独特な能天気さが滲み出ているが、 キリスト教について勉強していなくて知識がないので、 その深奥に潜む、宗教観に根差した美的感覚や悲哀を 汲み取れないのかもしれない。 以下、特に印象深い作品について。 「プラーグで行き逢った男」 不老不死――とはいえ若者ではなく外見は熟年男性の さまよえるユダヤ人、イサアク・ラケデムとの出会いと別れ@プラハ。 長命を維持するため、たまにブッ倒れて休息する必要がある、 というくだりで 楳図かずお『おろち』を連想……って、あんな可愛くないけども(笑)。 「ラテン系のユダヤ人」 無邪気で残酷な殺人鬼の最後の願い。 どこまでも調子のイイ奴だ、けしからん(笑)。 「オノレ・シュブラックの失踪」 パリの間男の逃亡術……だったのだが。 素朴な疑問だけど「遺体」はどうなるのだろう。 「アムステルダムの船員」 何の罪もない、休暇中の船員さんが……これはヒドイ! 「聖女アドラータ」 ハンガリーの教会で出会った小ぎれいな老人の、 聖遺物匣を巡る奇怪な話。 夢野久作の短編をあっさり、上品にしたような雰囲気。 「整形外科」 グラン=ギニョル系マッドサイエンティストものの一種。 治療のついでにあれやこれやという狂いっぷり(笑)。
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1987年版。窪田般彌 訳。アポリネールの短編集『異端教祖株式会社』と『虐殺された詩人』を中心にして編まれたとのこと。23篇。やっぱり「詩人のナプキン」かなあ、これは堀口大學訳もよいけれど。どれかひとつには、決められない。
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