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彼らと愉快に過ごす の商品レビュー

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2011/11/03
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雑誌『BE-PAL』に連載した『ぼくの好きな道具たち』を1冊にまとめた本。 片岡さんが実際に手にして、美しい、素晴らしい、楽しい、などと思ったもの108点が写真とともに紹介文されている。 読者はこれらの物を「片岡義男」というフィルターを通して見ることになる。 彼の文章を読みながら眺める小物たちは、いっそう魅力を増す。違った佇まいさえも見せ始める。 たとえば携帯用小型コンロ「エスピット」の紹介文。 「遠い昔、人類のはじまりの頃、人がはじめて自分のものとした火というものの現代における文明的なレプリカとして、このコンロをとらえると面白い。そして、一杯の紅茶を、たとえば火を使った料理ということぜんたいの象徴として考えると、エスビットによる一杯の紅茶は、人間と火との関係の歴史の、確認行為となる。エスビットのコンロの上で一杯の湯がわくのを待っていると、ふとこんなことを思う」 さらに、タイトルも楽しい。やられてしまう。 たとえば「ヘインズのTシャツ」のタイトルは、 <幸せとは1枚の白いTシャツ> いずれも、高級品ではなく、洒落たデザインでもなく、特別なすぐれものでもない。手に入らないものもある。でも、コーヒーを飲みながら眺めたら、思いのほか楽しいひとときを過ごせた。ときには使っている自分を想像していたりして……

Posted byブクログ