ヴァイオリンの魅力と謎 の商品レビュー
この著者が1982年に著した、「魔のヴァイオリン」の続編と言える内容だが、「魔のヴァイオリン」は、主にオールドヴァイオリンにまつわる話(ヴァイオリン自体やヴァイオリンの製作者について)であったが、本書はパガニーニ、サラサーテなどの名演奏家の話や、カール・フレッシュなどの名教師の話...
この著者が1982年に著した、「魔のヴァイオリン」の続編と言える内容だが、「魔のヴァイオリン」は、主にオールドヴァイオリンにまつわる話(ヴァイオリン自体やヴァイオリンの製作者について)であったが、本書はパガニーニ、サラサーテなどの名演奏家の話や、カール・フレッシュなどの名教師の話、ヴィヴラートなどの基本的な奏法について書いている。 このような内容から、本書のタイトルと内容は一致していない様に感じた。このタイトルは、むしろ前著の方に付けるべきだったと思える。 前著の「魔のヴァイオリン」は、門外漢でも楽しく読める入門書であったが、本書はある程度、演奏家のことを知らないと楽しめないと思われる。ヴァイオリンに興味があり、ある程度の知識をもっていれば、1987年の発行の本と古いが、2024年の現在でも十分に楽しめる。 全28話から成っているが、その中で1話だけ「シューマンの自殺未遂は三角関係のもつれか」というヴァイオリンとは関係のないものがあり、それはとても異質に感じた。本書は書下ろしではなく、著者が、「音楽の友」、「音楽芸術」、「レッスンの友」等について書いたものをまとめたものであるというが、なぜこの話を本書に入れたのか意図は全くわからない。ただ単に、著者の好みの話題で、休め的に挟んだのかもしれない。
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