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山釣り図鑑 の商品レビュー

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2014/08/05

情報の正確さというのは、言葉よりも図やイラスト、図やイラストよりも写真、写真よりも動画、というように確度が上がっていくと感じている(言うまでもなく自分の目で見れたらそれ以上はないけど)。これは図鑑なので写真が多用されているため、イラストだけのものより多くを学べるだろう。対象魚はヤ...

情報の正確さというのは、言葉よりも図やイラスト、図やイラストよりも写真、写真よりも動画、というように確度が上がっていくと感じている(言うまでもなく自分の目で見れたらそれ以上はないけど)。これは図鑑なので写真が多用されているため、イラストだけのものより多くを学べるだろう。対象魚はヤマメとイワナに限定されている。 一口に川、といっても上流・中流・下流に分類できるのは既知のことだと思うが、例えば渓流を、「大きな石や岩がゴロゴロと転がり、その間を川が流れていく」と説明されたとして、俺は「その石の大きさはどのくらいの大きさ?」と思うような程度の人間だ。要するに川のことをあまり知らないのだが、この本は谷太郎川という川を例に挙げて、中流域から入渓して遡っていく様子をまず解説してくれる。 これだけで俺のような何も知らない者が見ると「渓流ってこういうところなのか!」と感動できる(笑) ところで、実際にフィールドに出てみると、渓相というのは場所によって様々な表情を見せるのがわかると思うが、俺が主に釣りに出かけているのはいわゆる「薮川」で、このように大きな岩など転がっていない。それでも渓流魚であるイワナやヤマメが釣れるので、渓流と一口にいっても様々なものがあると感じた。 さらに感じるのが、川釣り、しかもヤマメやイワナを相手にした釣り、となると魚だけではなく自然というものを相手にすることになるということだ。 上流へ遡っていくことは日常ではあまり経験しない経験をすることになる。動物の危険を感じながら山森の中へ入る。いいポイントへ移るために強い流れの中を渡渉、あるいは泳ぐ。滝や大岩、崖をよじ登る。それが無理なら藪の中を迂回して上流へ、というように一種の冒険なのである。 魚の楽園は人の手の届かないところにあるというのが、今の世の常である。そういうところでは人の助けは望めない。自分の居場所が分からなくなればたちまち遭難してしまう。それでも山釣師は二泊三日かけて魚の桃源郷を求めて山に入っていく。 そこまでしなくてもいいや、という人もいると思うが、本書は釣りの名人でもある山本素石氏が、本格的な「山釣り」というものを教えてくれる良書である。釣り道具だけではなく、もう登山に近い装備の解説、地図や気象の読み方、野営の仕方、食べることができる野草についての解説をしながら、山釣りの魅力を読者に伝えてくれる。

Posted byブクログ