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世界怪談名作集(上) の商品レビュー

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古今東西の怪談を多数…

古今東西の怪談を多数収録。貴重な本です。

文庫OFF

2021/06/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「貸家」リットン 「スペードの女王」プーシキン 「妖物」ビヤース 「クラリモンド」ゴーチェ 「信号手」ディッケンズ 「ヴィール夫人の亡霊」デフォー 「ラッパチーニの娘」ホーソーン 収録。 岡本綺堂が編み、訳した一冊は、格調高いながらもやはり古くて気軽に読めない。けれどその古さが余計に薄気味悪さを強めている感じもないでもない。 解説に、岡本綺堂が世界の怪談についても博覧強記だったことなど記されていて面白い。 「クラリモンド」は先日読んだ「怪狂譚」に、発表当時にはご婦人方がクラリモンドに憧れたというエピソードがあって一番興味があった話。読んでみると想像と違って、ヴァンパイアのクラリモンドが意外に控えめで愛情深いように思えて、ヴァンパイアの彼女を忌むべきものとして、主人公の僧侶から永遠に奪ってしまった「善」が良いものか悪いものか不明だったのが、かえって新鮮だった。 解説によるとなかなか収録されることはなかったというホーソーン「ラッパチーニの娘」も、映像にしたら大層美しいだろうなと思うロマンティックなお話。怪奇というよりラブロマンスとして堪能した。 それ以外の短編も、思い出す限り読んだことはなく、大変楽しかった。下も、余裕がある時に読んでみたい。

Posted byブクログ