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うらおもて人生録 の商品レビュー

4.1

72件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  3. 3つ

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2024/08/24

色川武大さんの生き方に痺れた。 時代も違えば環境も性格も違うが、死線を潜り抜けてきた生き方がかっこいい。 全く同じに生きることはできないが、生き方の参考、学びになった。

Posted byブクログ

2024/04/04

 著者は、阿佐田哲也名義の『麻雀放浪記』が有名で、"ギャンブラー"という負のイメージが私には障壁でした。そう、過去形です。  なぜ本書を読まれた方々が、こぞって「永久保存版」「座右の書」「生涯大切にしたい一冊」などと表明するのか‥、確かめるべく手にしました。 ...

 著者は、阿佐田哲也名義の『麻雀放浪記』が有名で、"ギャンブラー"という負のイメージが私には障壁でした。そう、過去形です。  なぜ本書を読まれた方々が、こぞって「永久保存版」「座右の書」「生涯大切にしたい一冊」などと表明するのか‥、確かめるべく手にしました。  結論から述べます。本書は、阿佐田哲也さんが本人名義で書いた素晴らしい一冊でした。今更の読了は遅きに失した感じですが、読んでよかったです。  色川さんは、戦後数年間、放浪と無頼、博打など、職を転々とアウトロー生活を送っていたそう。後にカタギとして生きると決心し、出版社に就職。最終的には作家になり、麻雀小説から直木賞作品、純文学まで幅広く執筆し、平成元年(1989)に60歳で逝去されました。  本書は、1983~1984年に毎日新聞日曜版に連載された著者唯一の全国紙連作作品だそうで、1984年の刊行となっています。  自称劣等生の著者が、悩める学生たちに向けた、劣等生がよりよく生きるための指南書と言ってよいでしょう。ただし、指南と言っても生きるための技術より、ものの考え方や進むべき方向を導くヒント満載の書かな。"俺流セオリー"です。  若者が陥りがちな悩みを細かく55に章立てて、語りかける口調の文体がとても優しさにあふれています。とにかく独特の言い回し、言葉も平易で、嘘や偽善が微塵も感じられません。説教臭さがなく、不器用ながらすーっと心に沁みてくるメッセージです。なにしろ強烈な実体験に基づいてますから‥。  大人が読んでも唸らされ腑に落ちる、どんな世界でも通用するヒント満載の書でした。折々に読み返したい気持ちがよく分かりました。40年前の書という古さを感じさせない、まさに発掘本でした。

Posted byブクログ

2024/01/25

自分がエリートではないと感じる人に贈りたい一冊。 話題に上がる9勝6敗の話はもちろんのことだが、 一貫して負ける方法、その後に勝つ方法を記されていたように感じる。 よくある自己啓発本は即効性のある栄養ドリンクのようで効き目は一瞬だが、 本著は長期的なダイエットのメニューのような ...

自分がエリートではないと感じる人に贈りたい一冊。 話題に上がる9勝6敗の話はもちろんのことだが、 一貫して負ける方法、その後に勝つ方法を記されていたように感じる。 よくある自己啓発本は即効性のある栄養ドリンクのようで効き目は一瞬だが、 本著は長期的なダイエットのメニューのような 着実に立つための方法を述べているように感じた。 定期的に読み直して自分に当てはめていきたい。

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2024/01/24

読書マラソン感想カードより; 「全勝を狙うのではなく9勝6敗を目指せ」など上手い生き方について著者色川の人生と供に語るエッセイ。共感できる話もあればなんやこれ!ってなる話もある。発刊は1987年らしい。ほへ~ あたらし(海洋政策文化学科)

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2023/10/29

2015/9に読んでいたことを忘れて再読。 9勝6敗、先行、うまく負ける等々の示唆に富む言葉の数々が響く。

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2023/07/07

著者、色川武大さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。 ---引用開始 色川 武大(いろかわ たけひろ、1929年〈昭和4年〉3月28日 - 1989年〈平成元年〉4月10日)は、日本の小説家、エッセイスト、雀士。筆名として色川 武大(いろ...

著者、色川武大さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。 ---引用開始 色川 武大(いろかわ たけひろ、1929年〈昭和4年〉3月28日 - 1989年〈平成元年〉4月10日)は、日本の小説家、エッセイスト、雀士。筆名として色川 武大(いろかわ ぶだい)、阿佐田 哲也(あさだ てつや)、井上 志摩夫(いのうえ しまお)、雀風子を名乗った。阿佐田哲也名義では麻雀小説作家として知られる。 ---引用終了 で、本作の内容は、次のとおり。 ---引用開始 一度、ためしに、小さく負けてごらん。 優等生がひた走る本線のコースばかりが人生じゃない。愚かしくて不格好な人間が生きていく上での〝魂の技術〞を静かに語った名著。 優等生がひた走る本線のコースばかりが人生じゃない。ひとつ、どこか、生きるうえで不便な、生きにくい部分を守り育てていくことも、大切なんだ。勝てばいい、これでは下郎の生き方だ……。著者の別名は雀聖・阿佐田哲也。いくたびか人生の裏街道に踏み迷い、勝負の修羅場もくぐり抜けてきた。愚かしくて不格好な人間が生きていくうえでの魂の技術とセオリーを静かに語った名著。 ---引用終了

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2023/05/17

雀聖と呼ばれた作家、阿佐田哲也さんのご自身の人生を振り返りながらの生き方の指南書的エッセイ。ペンネームは、たくさんお持ちのようで、その理由もエッセイの中に書かれてます。 ご本人さんも周知の如くいわゆる不良少年で、どちらかといえば、劣等感を持っている人達への生き方の技術伝授。 文体...

雀聖と呼ばれた作家、阿佐田哲也さんのご自身の人生を振り返りながらの生き方の指南書的エッセイ。ペンネームは、たくさんお持ちのようで、その理由もエッセイの中に書かれてます。 ご本人さんも周知の如くいわゆる不良少年で、どちらかといえば、劣等感を持っている人達への生き方の技術伝授。 文体は語り口調で、色川さんの不良なところも書いているので、軽くみてしまうと深い言葉にびっくりします。 何事も9勝6敗を目標とする。負けた6敗をきちんと受け入れる。 運をコントロールする。実力と運を分けて考える。 人生は長く、何もかも上手くいくとは限らない。 全て上手くいくわけないんだね。わかっていたつもりでも、ピークの時に欲張ってスランプになる。 一生を6分4分で生きて、生きていくフォームを作る。なんか、少し気が楽になった。 この作品は、昭和59年に刊行、文庫化は昭和62年。古い作品です。色川さんは平成元年に亡くなれてます。そして、4月10日が雀聖忌で文学忌だったので、「麻雀放浪記」以外でと図書館予約したら2月に予約数16で、3ヶ月かかりました。この時代の文庫では、さすがに珍しい。メジャーな本とは思えないのだけど、知っている人は知っているんでしょうか。 ばくちという言葉や賭け事への比喩がでてくるので、そこがダメな方は、読みにくいと思います。

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2023/01/30

劣等生に向けて生きていく上での技術をつらつら語る。みないな内容でしたね。 文体のせいか、年配の方に酒場で話しかけられてるような印象を受けました。 色んな人を好きになること。 勝負や運に対する考え方。 弱点の活かし方。 その他もろもろのお話しを、色川さん自身の体験に基づい...

劣等生に向けて生きていく上での技術をつらつら語る。みないな内容でしたね。 文体のせいか、年配の方に酒場で話しかけられてるような印象を受けました。 色んな人を好きになること。 勝負や運に対する考え方。 弱点の活かし方。 その他もろもろのお話しを、色川さん自身の体験に基づいて書かれている感じですかね。 博打場での経験を例にして、勝負や運について書かれている部分は独特な視点があって面白かったです。 私自身が劣等感を抱えてきたタイプなので、自分のマイナスな面や弱点を見つめ直しながら読みました。 正直、よくわからない部分もあったのですが、時がたったらまた読み返してみたいですね。 全体として下地には愛があり、不思議と優しさを感じ言葉があり、読後少しばかり劣等感を受け入れられるような気がした一冊でした。

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2023/01/16

色川武大(1929~89年)氏は、小説家、エッセイスト、雀士。中央公論新人賞、直木賞、川端康成文学賞等を受賞。阿佐田哲也名義での麻雀小説作家としても知られる。 本書は、学校生活に馴染めず、中学中退のまま、担ぎ屋、闇屋、街頭の立ち売り、プロの賭博師等の職を転々とし、アウトローの生活...

色川武大(1929~89年)氏は、小説家、エッセイスト、雀士。中央公論新人賞、直木賞、川端康成文学賞等を受賞。阿佐田哲也名義での麻雀小説作家としても知られる。 本書は、学校生活に馴染めず、中学中退のまま、担ぎ屋、闇屋、街頭の立ち売り、プロの賭博師等の職を転々とし、アウトローの生活を送った後、ライターとして数々の実績を残した著者が、「学校の成績でいえば十番以内のエリートよりも、それ以下の成績の若者を念頭において」、「生きていくうえでの技術」を語ったエッセイ集である。初出は毎日新聞への連載で、1984年に単行本として出版され、1987年に文庫化された。 通読してみると、苦労人の著者らしく、とても味わい深いエッセイが並んでいるのだが、白眉はやはり、著者が賭博(特に麻雀)の世界で学んだ人生哲学の部分だろう。例えば以下のようなものである。 ◆プロはフォームが最重要・・・「フォームというのは、これだけをきちんと守っていれば、いつも六分四分で有利な条件を自分のものにできる、そう信じることができるもの、それをいうんだな。・・・プロは、六分四分のうち、四分の不利が現れたときも平気なんだ。四分はわるくても、六分は必ずいいはずだ、と確信してるんだね。・・・フォームというものはけっして全勝を狙うためのものではないんだ。六分四分、たとえわずかでも、いつも、どんなときでも、これを守っていれば勝ち越せるという方法、それをつかむことなんだ。」 ◆九勝六敗を狙え・・・「九勝六敗の、六敗の方がむずかしい。適当な負け星を選定するということは、つまり、大負け越しになるような負け星を避けていく、ということでもあるんだね。」 ◆運は結局ゼロ・・・「運というものは、通算してみると、結局、ゼロなんだ。ゼロというより、原点、といった方がいいかな。・・・本来はプラスマイナスゼロでも、一瞬一瞬はゼロではない運を、どう利用し、どう使っていくかということだな。だから、星勘定をして、運の使い方に対する自分の作戦をたてていく必要があるわけだね。」 ◆実力は負けないためのもの・・・「実力の部分では毅然と、運の部分では用心ぶかく、手さぐりでおずおずと。・・・実力というものは、負けないためにあるのです。負け越さないために、実力を習練するのです。」 更に、著者が亡くなった年齢に近づいた私にとっては、次のような一節が特に心に沁みた。「年をとるにつれて運がツクということが、すくなくなってくるんだね。そのうえ、身の回りには、負け越しにつながるような大黒星がぐるりととりまいているんだ。健康の面でも、事故運の面でも、人間関係もそうだし、仕事もだんだんむずかしくなる。もう、負けをひきこんでバランスをとるなんて、キザなことをいっていられない。一生懸命、白星をひろっていかないと勝ち越すのもむずかしい。俺の今の年齢になったら、八勝七敗なんて、奇蹟に近いね。若いときの十三勝二敗くらいと同じことだ。だからもう今は、内容的には七勝八敗、六勝九敗目標。それ以上の大負け越しをしないようにということになる。」 (尚、丁半博打の必勝法「一一三の法則」は目から鱗であった) 昭和最後の「無頼派」ともいわれる著者ならではの、優しさに溢れた人生論である。 (2023年1月了)

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2023/01/14

これは時代を超えて読まれる本。 座右の書にする。 参考になったことは枚挙に暇がないが、取り急ぎメモしたポイントは以下の通り。 人生を俯瞰して眺める。9勝6敗の勝ち星・負け星を目指す。適当な負け星を拾っておく。 禍福は糾える縄の如し あたらしい世界に入っていったときは、納得...

これは時代を超えて読まれる本。 座右の書にする。 参考になったことは枚挙に暇がないが、取り急ぎメモしたポイントは以下の通り。 人生を俯瞰して眺める。9勝6敗の勝ち星・負け星を目指す。適当な負け星を拾っておく。 禍福は糾える縄の如し あたらしい世界に入っていったときは、納得するまで眺める。新しい職場では、まず白紙。能力を隠したり、とぼけたりする必要はないが、要領やテクニックは最初は出さない。小さなところでは先に陣を張った人を尊重する。礼儀、あらゆるものの下につきながらも、眺めてる。他人の様子を実例にする。基本セオリーを多く発見する。 大きなところでは、自分の生地をいくらか配慮しつつ、出していく。どの能力がたぶついており、どの能力が足りていないか。 一段ずつ。少しずつ、昇る。そして自分の決め球で勝負する。

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