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俳句開眼 の商品レビュー

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2020/04/30

フランス文学の研究者であり、加藤楸邨に就いて俳句を学んだ著者による、俳句の鑑賞と実作の手引きです。 本書は四部構成となっており、第一部では近代以降の俳句の潮流が概観されています。とくに著者は、正岡子規、高浜虚子、水原秋櫻子、加藤楸邨の四人をとりあげ、それぞれの関係についてていね...

フランス文学の研究者であり、加藤楸邨に就いて俳句を学んだ著者による、俳句の鑑賞と実作の手引きです。 本書は四部構成となっており、第一部では近代以降の俳句の潮流が概観されています。とくに著者は、正岡子規、高浜虚子、水原秋櫻子、加藤楸邨の四人をとりあげ、それぞれの関係についてていねいに説明しています。また第二部では、松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶らの業績について、現代の研究者による解釈を踏まえながらも、著者自身の見方を率直に語っています。第三部は俳句の実作上の注意点をまとめたもの、第四部は鑑賞の手引きです。 俳句の歴史とあじわいかたについて学ぶことのできる、優れた入門書だと感じました。個人的には、おなじ講談社学術文庫から刊行されている小西甚一の『俳句の世界―発生から現代まで』のほうに軍配をあげたいのですが、小西の本はもっぱら歴史と鑑賞に焦点があてられているのに対して、本書は俳句を実作する読者にも有益な内容を含んでいるところに特徴があるように思います。

Posted byブクログ