休暇の経済・社会的役割 の商品レビュー
休暇の役割とはなにか。 まだ週休2日制が導入される前の日本で、1989年に発行されたものです。 目次は、以下のとおりです。 第1章 休日・休暇の歴史 第1節 休日・休暇の起源 第2節 西欧における休日・休暇の変遷 第3節 日本における休日・休暇 第2章 欧米主要国に...
休暇の役割とはなにか。 まだ週休2日制が導入される前の日本で、1989年に発行されたものです。 目次は、以下のとおりです。 第1章 休日・休暇の歴史 第1節 休日・休暇の起源 第2節 西欧における休日・休暇の変遷 第3節 日本における休日・休暇 第2章 欧米主要国における休暇拡大の動向 第1節 欧米主要国の休暇状況 第2節 イギリスの動向 第3節 フランスの動向 第4節 西ドイツの動向 第5節 アメリカの動向 第6節 欧米諸国における休暇の拡大要因と問題点 第3章 休暇の役割と今後の方向 第1節 休暇制度の比較 第2節 休暇の機能と現代社会における役割 第3節 休暇拡大のための具体的提言 第4節 おわりに 休日・休暇の歴史や、各国の事例を紹介しながら、 休暇後進国日本について検討しています。 過重労働が指摘されている中、ゆとりある社会として何を目指していたのかを知れます。 この1989年から比べれば、たしかに週休2日制は導入されました。 フランスのようなバカンス導入が日本にあっているのかは、 本書の中でも疑問を呈していますが、 まだまだ有給取得についても、長期休暇の取得についても、課題があるでしょう。 休暇拡大、労働時間短縮により、 労働者の健康の確保、ボランタリー社会の実現、雇用の増加、休暇拡大・自由時間拡大による新市場の増加など、いくつもの効果を期待していますが、 この四半世紀近くでどれだけのことができたのでしょう。 産業革命以前の日本の農村では、遊び日として、 単なる休養日ではない休みがあったといわれています。 豊かな休み、遊び、文化交流があったと。 産業革命以降、労働力として人間が管理されるようになり、 休日が極端に減ってしまったため、 労働者保護・休養としての意味合いの強い休日・休暇がでてきたということで、 有給休暇の歴史は、まだまだ浅いものがありそうです。 育児休業、介護休業なども含めて、 休暇や休日の意義や歴史をきちんと考えてみるのにもよいかもしれません。 “週休(6勤1休)の習慣は、紀元前15~16世紀ごろ既にあったとされ(古代バビロニア)、キリスト教圏の拡大とともに6世紀頃には厳格に守られるようになった。この日曜休日(安息日)も労働禁止日であり、現在のような休養日としての「休暇」と性格を異にする。労働・雇用からの解放としての「休暇」は、産業革命以降の近代的な休み方である。”
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