ごまかし勉強(上) の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2002年刊行。印象論で語られてきた学力低下。その低下を実感する著者は、その遠因を学生達に最近蔓延する「ごまかし勉強」にあるとして、これを検証する。本書は①学習の意義・方略、記憶行為の実態も検討、②このところの家庭学習の変遷、③ごまかし勉強と正統派勉強の違いと影響(長期・短期を含む)、④学習参考書の変化とごまかし勉強との関連などを論ずる。学習法に関しては色々読破したが、学習(学校・家庭を含む)の意義について、長期的展望と短期的目標とを両立させているのは少なく、本書が随一の書といって過言ではない。お勧め。 著者は、跡見学園女子大学文学部教授、東京大学大学院教育学研究科附属学校臨床総合教育研究センター客員教授、草加市立松江中学校運営委員。
Posted by
受験や教育現場への適応の過程と受験産業の利潤追求過程の先にあったのは効率よく結果を手に入れる仕組み。 正統的な学習が良いと分かっていてもコストばかりがかかりゲインは同じならコストがかからない手法を選択するのは合理的であろう。 指導する側の親や教師も横着で正統的な学びに関する新...
受験や教育現場への適応の過程と受験産業の利潤追求過程の先にあったのは効率よく結果を手に入れる仕組み。 正統的な学習が良いと分かっていてもコストばかりがかかりゲインは同じならコストがかからない手法を選択するのは合理的であろう。 指導する側の親や教師も横着で正統的な学びに関する新年は持っていないならなおさらである。
Posted by
現代の中高の教育の問題を指摘した本。大学生、特に1〜2年生と接すると感じていた問題を美味く解説している。つまり、パターン教育の弊害である。課題があるとそれを考えようとはせずにすぐに正解を求める。そしてそれを暗記すると言うものである。 この傾向は、ゆとり世代に著しく現れている。本...
現代の中高の教育の問題を指摘した本。大学生、特に1〜2年生と接すると感じていた問題を美味く解説している。つまり、パターン教育の弊害である。課題があるとそれを考えようとはせずにすぐに正解を求める。そしてそれを暗記すると言うものである。 この傾向は、ゆとり世代に著しく現れている。本来、ゆとり教育は、パタンの詰め込みを問題として生まれた筈なのに、なぜこんなにパタン教育かしているのだろうか? こうした癖がついている学生に、プログラミングやグループワーク、あるいはロジカルシンキングを教えたり、身につけさせたりすることは、本当に苦労する。高校生までの教育を本質的に変えて欲しいものだと思う。 上巻は、問題の指摘に重点が置かれている。下巻は、その解決策の提案のようである。
Posted by
とりあえずテストの点さえ取れればいいという、「ごまかした勉強法」を解説した本。 正統的(?)な勉強法との理解力の差などを丁寧に記述しています。 ごまかし勉強法はある意味効率的な勉強法と言えるのですが、自分の身にならないわけで、90年代以降の勉強から派生する部分を無視するのは...
とりあえずテストの点さえ取れればいいという、「ごまかした勉強法」を解説した本。 正統的(?)な勉強法との理解力の差などを丁寧に記述しています。 ごまかし勉強法はある意味効率的な勉強法と言えるのですが、自分の身にならないわけで、90年代以降の勉強から派生する部分を無視するのは非常に残念だと思いました。 下巻は正統的な勉強法を扱っていますので、勉強法をお探しの方は下巻のみでもOKです。
Posted by
自分の今までの学習の仕方を考えると、まさにごまかし勉強だったと気付かされた。時代の変化とともにごまかし勉強が増えていった経緯はおもしろかった。中学生・高校生が周りにいる方は是非。
Posted by
- 1