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王位の剣 継体大王 の商品レビュー

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2011/11/06

応神天皇の皇子たちは皇位をめぐって水面下で陰湿な闘いを繰り広げていた。その中でも、特に目立った存在が、オオサザキ皇子とワカノケ皇子だった。粗暴な性格のワカノケ皇子は、ある日、新羅から戻った大伴カタリ将軍が、天皇に献上するために持ち帰った剣に魅せられる。 そのためカタリに同じような...

応神天皇の皇子たちは皇位をめぐって水面下で陰湿な闘いを繰り広げていた。その中でも、特に目立った存在が、オオサザキ皇子とワカノケ皇子だった。粗暴な性格のワカノケ皇子は、ある日、新羅から戻った大伴カタリ将軍が、天皇に献上するために持ち帰った剣に魅せられる。 そのためカタリに同じような素晴らしい剣を手に入れるように頼み込んだものの、4年も放っておかれたため、皇子の苛立ちは頂点に達していた。 憂さ晴らしに大和川の上流・柏原へ鷹狩りに出かけたとき、皇子は美しい乙女・キク姫と出会う。彼女はヤマトタケルを祀る白鳥神社の巫女だった。 それから2年、キク姫はワカノケ皇子の子を生み、タケヒコと名づける。 ワカノケ皇子は白鳥神社に入り浸るようになり、皇子の長男・オオホドは父を心配する。 応神天皇が病に倒れ、難波の宮は騒がしくなった。しかしその騒ぎを避けるように、ますますワカノケ皇子はキク姫のもとに足しげく訪れるようになっていた。 オオサザキ皇子をあしざまに罵り、また、あの渡来の剣のような名剣を欲しがるワカノケ皇子のグチを毎日聞かされていたキク姫は、信貴山で長年修行している方士の話を皇子にする。その方士ならば、剣を得る方法を知っているに違いないというのだ。 ワカノケ皇子は山に入り、ついに方士に遭遇する。そして方士をくどき、剣を授けてもらう約束をする。 約束の九十日後、キク姫とともに山に入った皇子に、方士は一振りの剣を差し出した。 大伴カタリが天皇に献上したあの剣をはるかに上回る素晴らしい剣――! 剣には金文字が刻まれていた。「是」「王」「位」「導」「剣」……是の剣は、王位を導く…… 方士はキク姫によこしまな想いを抱いており、その剣と引き換えにキク姫を自分に渡すように皇子に迫る。剣の魅力のとりことなってしまった皇子は、その条件をのみ、妻を差し出した。 「こんな事になるなら方士の事を話さなければよかった。呪ってやる。呪ってやる。呪ってやる――」 キク姫の嘆く声は信貴山の山頂へ消えていった… 「王位を導く剣」を手にしたワカノケ皇子は、自信をつけ、オオサザキ皇子との対立は表面化した。そんな時、応神天皇は崩御する。

Posted byブクログ