贈る物語Terror の商品レビュー
作家宮部みゆきが編んだ海外ホラー小説のアンソロジー。各章の冒頭には宮部さんによる各作品の解説がある。今現在入手可能な本から選出するのが前提だからか、既読が半分くらいあった。子供の頃読んでぼんやり怖かった話に再び出逢えたのが嬉しかった。 【収録作品】 第一章 知りたがるから怖くな...
作家宮部みゆきが編んだ海外ホラー小説のアンソロジー。各章の冒頭には宮部さんによる各作品の解説がある。今現在入手可能な本から選出するのが前提だからか、既読が半分くらいあった。子供の頃読んでぼんやり怖かった話に再び出逢えたのが嬉しかった。 【収録作品】 第一章 知りたがるから怖くなる 「猿の手」W・W・ジェイコブズ 既読。完訳があると初めて知ったのだけど、宮部さんの言う通り、私もここで終わる方が怖いと思う。余韻がいい。 「幽霊ハント」H・R・ウェイクフィールド 既読。今のモキュメンタリーホラーにも通じるような臨場感は若い人にも通用する恐怖じゃないかな。ウェイクフィールドは好きすぎて『ゴーストハント』(文庫)を買ってある。 「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」ディヴィッド・マレル 有名タイトルだったので読んだつもりでいたけど初読だった。自ら両眼を抉って死んだ画家ファン・ドールンを研究していたマイヤーズも狂気の末に両眼を突いて死ぬ。主人公が親友の死の謎を探ると恐ろしい真相がわかるというもの。奇想天外ではあるけど腑に落ちる。もう少しコンパクトにまとめられないかなと思わないでもなかったけど(笑)。 第二章 狼なんか怖くない? 「人狼」フレデリック・マリヤット 海賊から逃れながらマレイ海峡を航行する船の上で語られるクランツの半生から始まる物語。タイトルがど直球なんだけど(笑)家族が少しずつやられていくのは怖かった。 「獲物」ピーター・フレミング たぶん子供の頃もっと簡略化したものを読んだ覚えがある。なのでラストも知ってた(笑)。田舎町の駅の待合室に居合わせた二人の男。若い男が語る叔父の領地での家畜の不審死から始まる人狼の話が最後恐怖とともに綺麗にオチる。 Coffee Break① 宮部先生は本当にゲーム好きなんだな 第三章 怖がることと、笑うこと 「羊飼いの息子」リチャード・ミドルトン 落語みたいな話。羊飼いがおかしくなっちゃうのも無理はないなと。 「のど斬り農場」J・D・べリスフォード これも子供の頃読んだ覚えがある。たぶん学研の学習で夏休み号に付いてきた読み物特集。こういう名作をたくさん載せていた(ロアルドダールとかもあったような)、今思うと贅沢な付録だった。 山間の寂れた農場に陰気な経営者夫婦。気楽な静養に来たはずの主人公は家畜がだんだん姿を消していくのに気づき…… 「デトロイトにゆかりのない車」ジョー・R・ランズデール 死神が迎えに来る系の話なんだけど、怖さはない。こんなふうに死ねたら理想的だな(笑)。 「橋は別にして」ロバート・L・フィッシュ アメリカンジョークかな(笑)。人口増加・車社会の未来で起こる皮肉な現象を描いたSF。 第四章 子供たちは恐怖と仲良し 「寂しい場所」オーガスト・ダーレス 子供の頃誰もが怖かった夜の帰り道。暗がりに潜む何か。 「なぞ」W・デ・ラ・メア 既読。これも学研の読み物特集を始め様々なアンソロジーで見る。ふわふわした不気味な話だけど一抹の寂しさも感じる名作。 Coffee Break② 映画『妖精の森』と小説『ねじの回転』の関係 第五章 生者の恐怖と悲しみと 「変種第二号」フィリップ・K・ディック この中で一番の長編。なかなかに面白いSFだけど、タッソーの正体は途中からわかってしまった。『ターミネーター』よりは怖くない。 「くじ」シャーリー・ジャクスン 既読。こちらもいろんなアンソロジーに入ってる。 「パラダイス・モーテルにて」ジョイス・キャロル・オーツ 売春婦が酷い客に虐げられた末に男を殺して逃亡する。バイオレンス描写がキツくはあるが、ただそれだけの話。しかし根底に彼女が子供の頃に晒された性暴力があるため、全ての男性への逆襲にも思える。ほかの作品もわりと容赦ない話が多いみたいなので、逆に興味を持った。
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※このレビューにはネタバレを含みます
宮部みゆきさんが選んだ怖い話のアンソロジー。 3つの作品が気に入った。 「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」 デイヴィッド・マレル ある画家の絵とそれに魅惑される研究者と友人の話。 ドット柄が怖くなった。 「デトロイトにゆかりのない車」 ジョー・R・ランズデール 黒い車に乗ってくる死神の話。 出てくる夫婦の関係とその最後が羨ましい。 「変種第二号」 フィリップ・K・ディック 米ソの戦いの中で開発された生物兵器の話。 最後に人類にとって変わる存在が、もうすでにお互いを傷つける武器を作っているって寂しい終わり方だな。
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自分のホラーの好みが分かったアンソロジー。読んでみたかったジョイス・キャロル・オーツが収録されていたけど、宮部さんの紹介文どおり難解な感じで、冒頭で読みよどんでいるうちに返却日がきてしまいました。全体にかなり急いで読んだので、ちゃんと味わえていないものもありそう。再読の余地ありで...
自分のホラーの好みが分かったアンソロジー。読んでみたかったジョイス・キャロル・オーツが収録されていたけど、宮部さんの紹介文どおり難解な感じで、冒頭で読みよどんでいるうちに返却日がきてしまいました。全体にかなり急いで読んだので、ちゃんと味わえていないものもありそう。再読の余地ありです。
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ホラーは好きですが、こういった作品を読むのは初めてかもしれません。特に海外物は。 やはり「猿の手」や「変種第二号」みたいな話が好きですね。 海外作家の作品をあまり読むことがないので頻度を増やしていきたいです。
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[ 内容 ] 海外のホラー小説を古典・有名作品中心に宮部みゆきがセレクション。 心を惹きつける、魅力的な恐怖小説をご案内します! 「猿の手」「人狼」「のど斬り農場」など、14編を収録。 [ 目次 ] [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した...
[ 内容 ] 海外のホラー小説を古典・有名作品中心に宮部みゆきがセレクション。 心を惹きつける、魅力的な恐怖小説をご案内します! 「猿の手」「人狼」「のど斬り農場」など、14編を収録。 [ 目次 ] [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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目当てであった「猿の手」を読んでから放置していましたが、ようやく読了。 アンソロジーの面白さは新たな作家に出会うことですが、本書では残念ながら新たな作家には出会うことはできませんでした。
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オレンジか苦悩、ブルーは狂気が印象深かった。 ブレス・オブ・ファイアをしたくなる。 解説がおもしろい。
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馴染みのほとんどない海外の怖い話のアンソロジー。 海外モノ初級の私には向いていたかも。 宮部さんの解説が、ご本人もおっしゃっている通り、 きっちりネタバレのものがあったので、 後で読むがよろしいと思った。
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綾辻行人編の本格ミステリー。 私は特に、「カニバリズム小論」(法月綸太郎)が好き。 頭逝っちゃってる作品だけど、最後のひねりが小気味良 い転換点となっている。 三島由紀夫は称賛すると思う。
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この中で読んだことがあったのは、「猿の手」と「人狼」くらいか。あとは聞いたことのない作品が多いけれど、実は他も有名だったのね。まだまだ極め方が足りない(笑)。 楽しみにしていた「くじ」はやっぱり恐ろしい話。T・トライオンの某作品に設定が似てるといっちゃ似てるけど、「くじ」の方が具...
この中で読んだことがあったのは、「猿の手」と「人狼」くらいか。あとは聞いたことのない作品が多いけれど、実は他も有名だったのね。まだまだ極め方が足りない(笑)。 楽しみにしていた「くじ」はやっぱり恐ろしい話。T・トライオンの某作品に設定が似てるといっちゃ似てるけど、「くじ」の方が具体的なえぐさがないわりに、あとからじわっと来る。「湿布みたい」とはまさに言いえて妙。 あとは「橋は別にして」。これは笑える! そりゃあ本人にしちゃ怖い?話かもしれないけど、これは想像すると爆笑。タイトルのつけ方も上手い。
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