1,800円以上の注文で送料無料

スノウ・クラッシュ(上) の商品レビュー

3.5

16件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2015/02/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ヒロ・プロタゴニストは地上最強の剣士であり最後のフリーランス・ハッカーである。彼は今、超高速バイクに乗って30分以内に出来立てのピザを届けなければならない。でなければマフィアのボスに殺される…… まさしく「ライト・ノベル」だと思う。ポップでバトル満載のマンガ的展開を土台にプログラミングを交えた言語論がマッチして、とんがりコーンにイクラ載せたみたい。 作品背景はメタヴァースという仮想空間が普及した近未来世界だが、主人公のヒロはプログラマーの脳を破壊するコンピュータ・ウィルス「スノウ・クラッシュ」の謎を追い、シュメール文明にまで遡った考察を始める。シュメールの神話では、エンキという神がナム・シェブという呪文を扱い、ミーという作業を実行する。この構図はハッカーがコンピュータ言語を使ってプログラムやスクリプトを実行するのになぞらえられる。そして、そのナム・シェブをエンキから盗み、ウィルスのミーによってナム・シェブの使い手をクラッシュさせるアシェラーという女神が、つまりスノウ・クラッシュを使い脳を破壊するハッカーを指す。このアシェラー信仰をヒントにナム・シェブ(C言語、ひいては言葉全て)を破壊し世界を統一しよう(バベルの塔を再建設しよう)とするのが、今作の悪役であるJ・ボブ・ライフだ。 ※ただし、J・ボブ・ライフ自体はハッカーではない。となるとスノウ・クラッシュを生み出したハッカーとしてのアシェラーは誰なんだろう…… 上の内容は、正直「つまり世界は滅亡するんだよ」みたいなトンデモ話だが、バベルの塔からどんどんどんどん話が広がっていって、でも綱渡り的な理論で一応の収集がつくのが変に爽快。それと、ヒロインY・Tの15歳の乙女らしい無鉄砲なエピソードが、こういった堅苦しい話をタイミングよく蹴っ飛ばしてくれる。スノウ・クラッシュはコンピューター上だけでなく実際のドラッグでもあるので、Y・Tはそちらの謎の追跡(ヒロと対照に現実世界での活躍)も兼ねている。 ネット上の仮想空間「メタヴァース」は1991年に書かれたとは思えないほど。日本ではアメーバピグのようなアバターを使ったソレに近い仮想空間が存在しているが、アバターを自身でモデリングしたり高速バイクをチューンしたりするほどは実際の使用者のエンキ的素養は高まっていない。他にも、フランチャイズ化された少国家群だとか、ひきこもりを飛び越えて「走るコンピューター」と化したドライバーの話だとか、原爆(放射性物質)とスノウ・クラッシュの関連(どっちも規則的に作られた構造物をズタズタに破壊してしまう)だとか、細かなエッセンスが詰まっている。

Posted byブクログ

2012/08/26

上巻/下巻 電脳空間を表す言葉はいろいろあるけど、この作品でメタヴァースが登場。 話も世界観もとっても好き。 どっぷりひたって読んでいるのに、なぜか所々現実に引き戻されるようなところがある感じがする。 けど、やっぱり好きだな。

Posted byブクログ

2010/07/27

サイバーパンクの古典的作品。メタヴァース等の描写に先進性を感じるが、今となっては現実との齟齬が目立つ。 また、内容が冗長に感じる。後編に活かされるのだろうか?

Posted byブクログ

2009/10/04

兄の本棚から抜粋2。カバー掛けてたからしらなかったけど、 こんな表紙だったのね。 エキセントリックな話だけど、随所に日本びいきなところがw

Posted byブクログ

2009/10/04

表紙に目が止まり、オビorあらすじに惹かれて買った本。世界設定はかなり面白いし当時だったらかなりトガってた。けどストーリーが面白いかと言うとちょっとザンネン。前半読むのはかなり作業だった。

Posted byブクログ

2009/10/04

キャラクターやストーリーは、ちょっと軽めで多少やりすぎ感あるんだけど、言語関係の話は面白い。雰囲気に反して知的満足の得られる作品。

Posted byブクログ