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日本人の神 の商品レビュー

4.7

5件のお客様レビュー

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2023/01/07

日本人が漠然と感じている神さまたちのことを、ああ、そうだったのかと、理解、納得させてくれる本。日本人が信じている「神さま」や「仏さま」がどのようなものか、どのように日本に根付き変わっていったかが書かれている。 Ⅵ章はタミル語関連の話。私のような一般人には興味がなくまた理解できな...

日本人が漠然と感じている神さまたちのことを、ああ、そうだったのかと、理解、納得させてくれる本。日本人が信じている「神さま」や「仏さま」がどのようなものか、どのように日本に根付き変わっていったかが書かれている。 Ⅵ章はタミル語関連の話。私のような一般人には興味がなくまた理解できなかった。

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2017/03/20

日本語タミル語起源説の著者が 神概念から 日本人のルーツを探ろうとした本。ルーツを探る意味は 日本人と 異国との繋がり、共通性を知ることにあると思った さらっと凄いことが書いてある。本居宣長 後の日本人論は 何となく知っていたが、宣長 以前の推移は 知らなかったので、驚いた ...

日本語タミル語起源説の著者が 神概念から 日本人のルーツを探ろうとした本。ルーツを探る意味は 日本人と 異国との繋がり、共通性を知ることにあると思った さらっと凄いことが書いてある。本居宣長 後の日本人論は 何となく知っていたが、宣長 以前の推移は 知らなかったので、驚いた 宣長以前 *仏は神の一種。仏という神がいる→仏と神が融合→仏の救済という観念が 神の意味を変えた *中世までの神道は 神の概念に 仏教の体系をもたせたもの *近世に 神と仏を 中国の儒教によって 切り離そうとした

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2015/05/26

大野晋『日本人の神』(新潮社、2001)を読む。 東大国文出身で学習院教授を務め、日本語の由来研究で知られる著者が日本における「カミ」の変遷に迫ったもの。 カミの語源、観念からホトケの輸入、神仏習合、国学におけるホトケの分離、Godの輸入、「カミ」という切り口で古代から現代ま...

大野晋『日本人の神』(新潮社、2001)を読む。 東大国文出身で学習院教授を務め、日本語の由来研究で知られる著者が日本における「カミ」の変遷に迫ったもの。 カミの語源、観念からホトケの輸入、神仏習合、国学におけるホトケの分離、Godの輸入、「カミ」という切り口で古代から現代までの日本文化の発展を追っており、たいへん興味深い研究です。(当時のはやりなのかはわかりませんが、古代日本語とタミル語の類似性についてもかなりの紙幅を割いておられます) 【本文より】 ◯人々は罪を天地のカミに対する契約違反とは考えなかった。そもそもカミと人間とは契約によって結ばれたものではない。カミは人間に食糧を与えるという契約などは結んでいない。カミは奉献を受ける代償として、豊穣と安穏とを与える存在だった。 ◯ここには行為についての「個人」としての自覚は全然問われていない。カミは罪について個人的戒律の違反を処罰することもない。風によって、川から海へ、海から地底へと罪をはらって行けば、それは失われると説いている。 ◯ここにはまた、神と人間との間で約束をとりかわし、その約束を守るという契約の観念はない。個々の人間が自分の約束・責任を果たすことによって仕合せを得るという自己規律の観念もない。その裏には、人間は自然の成り行きとして生まれて来て、日本の自然の中でよしとされる明るい、清水のような心を持てば、食糧が得られ、繁殖行為を営んで死んでいく。それを繰り返すところに世界があるとする考え方がある。 ◯日本の神話では、天地万物の他に、命令を下してそれをこの世にあらせた神はいない。混沌の中に大地が自然に出現し、その泥の中に葦の芽が芽ぶくように生命がなり出た。

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2013/02/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

Ⅰ日本のカミ  日本人が本来どのように神を認識していたかを考察する章。  記紀や和歌、祝詞などからカミという言葉が指す観念を洗い出すと ①カミは多数存在した。 ②カミは姿・形を持たない(見えない)。 ③カミは動き回る(依代を離れることができる)。 ④カミは何かを支配している。 ⑤カミは恐ろしい(祟る)。  という特徴が見受けられ、人はカミに対し マツリ・・・カミを喜ばせる(奉仕する) ミソギ・・・カミを喜ばせるために自分を清める(外についたケガレを取る) ハライ・・・カミを怒らせた罪や過ちを捨て去る、あるいは弁償する ネガウ・・・カミに加護や豊饒、安穏などを求める イノル・・・ネガウ為にカミを呼ぶ  などの行為を行う。 「願う」と「祈る」が全く違う行為のように書いてある。  カミと人間の間に契約関係はなく、カミは奉仕すれば見返りをよこし、怒らせれば祟る、特定の領域や物事を支配する見えない存在である。 Ⅱホトケの輸入

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2009/10/04

日本語の「神」は文字としてどう定義されるか? それを調べるには大変な労力を要し・・・。 神を歴史背景から、「キリスト教以前」・「仏教徒の関係」・「仏教以前」と一通りの説明を果たし。 文明とは何ぞや?という切り口から「言葉の発音」と「それらの行動原理」が一致する物を選定してお...

日本語の「神」は文字としてどう定義されるか? それを調べるには大変な労力を要し・・・。 神を歴史背景から、「キリスト教以前」・「仏教徒の関係」・「仏教以前」と一通りの説明を果たし。 文明とは何ぞや?という切り口から「言葉の発音」と「それらの行動原理」が一致する物を選定しておられます。 日本の神に対するルーツを描く一つの決定打となる一冊かも。

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