自閉症幼児の他者理解 の商品レビュー
ASD児の最も大きな弱さとして、心の理論の問題がいくつかの研究を通して述べられている。ジョイントアテンションについても、単に指差しが理解できればいいというわけではないことが分かった。また、ASD児の愛着についての課題、自己認知と他者認知について。かなり昔の研究ではあるが、愛着関係...
ASD児の最も大きな弱さとして、心の理論の問題がいくつかの研究を通して述べられている。ジョイントアテンションについても、単に指差しが理解できればいいというわけではないことが分かった。また、ASD児の愛着についての課題、自己認知と他者認知について。かなり昔の研究ではあるが、愛着関係の観点から早期療育の必要性について述べられており、今日の療育の理論的な背景が理解できた。
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自閉症幼児の他者理解にテーマが絞られており、理論だけではなく、実験におけるアイディアもたくさんつまっている。ジョイント・アテンションや愛着、鏡像認知など、自閉症理解においては重要で興味深いテーマが扱われている。 自閉症児と健常児を比較することで、自閉症の障害特徴がわかるとともに、逆に定型発達とはどのようなことなのか考えさせられる内容だった。表題は「他者理解」ではあるが、「他者理解」が「自己理解」にも通じていることが本書を通してよくわかった。
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