右脳で生きるコツ の商品レビュー
1996年11月発行の書。来たる21世紀への希望にあふれている書です。 まず「まえがき」ですごいことが書かれています。 「二十世紀もあと数年を残すのみとなってきました。そして今、非常に大きな変革が起きています。非日常的な体験がごく普通に見られる時代になってきているのです。...
1996年11月発行の書。来たる21世紀への希望にあふれている書です。 まず「まえがき」ですごいことが書かれています。 「二十世紀もあと数年を残すのみとなってきました。そして今、非常に大きな変革が起きています。非日常的な体験がごく普通に見られる時代になってきているのです。 これまでの現実観には収まりきれない出来事が次々に起きています」 しかし、現実に迎えている21世紀の現状はどうでしょうか。 確かに、当時は想像もしていなかったインターネットやスマートフォンというのが普及しています。ところがそれがかえっていけなかったのではないでしょうか。 それまでは人前でははばかられるような差別的・ヘイト的な本音が匿名掲示板で堂々と語られるようになり、世の中が右傾化し、独裁体制に迎合・忖度するような意見が増えています。 「まえがき」では、『右脳で勝つ「万馬券」の極意』という本についても触れられています。 そんなことが本当に可能ならすごいことですが、この本はすでに絶版となっています。 池田邦吉さんも好意的に紹介されていますが、その後イタリアの火山の噴火を予言して見事に外しました。 「2010年には、もはやガソリンで自動車を走らせる時代ではなくなるだろう」 という記述もありますが、現実はどうでしょうか。 「このような人達が増えてくると、「百匹目の猿現象」が加速して現実化するようになるでしょう」 と書かれていますが、現実に「百匹目の猿現象」が起こっているのは、「日本の独裁化・軍国主義化」でした。 本書では、前半3分の2ほどが、右脳の不思議能力の実例となっています。そして残り3分の1ほどで、右脳の開発方法の記述です。 右脳の能力があまりにも現実離れしているので、多くの分量を使って説明する必要があったと好意的に解釈しておきます。 目の焦点を合わさないでぼんやりと見る「オープン・フォーカス法」は、視力を良くし、見えないものまで見える新感覚開発法と書かれています。 太陽を見る瞑想法もいいようです。 私は中学から高校にかけて、思春期の荒波を超えることができずにうつ状態となって沈み込みました。 何とか精神状態を改善しようとあがき、すがりついたのが短眠術・速読術・能力開発でした。 七田式にも飛びつき、本書も発売直後に購入して自分なりに訓練したのですが、結局何の効果も得られず、人生は沈んだままで家も潰すことになったのです。 七田式は今でも存続していますが、効果あるのでしょうか。まあ効果あるから存続しているのでしょうが。 私も本だけで独習せずに七田式に通えば効果あったのでしょうかね。 七田式は幼児教育なのですが、通信教育では大人のための教材もあるようです。しかしかなり高額。 もし私がうつ病にならずに本格的に七田式訓練を受けていたらどう人生が変わっていたか、死んだ子の年を数えるような妄想をしてしまいます。 まあ現在はスマホ等のツールが充実しているので、それらを利用して本書で述べられている方法論をどう再現するかでしょう。 http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20180422/p1
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