ミカドの淑女 の商品レビュー
下田歌子という名前、聞いたことあるような、ないような? 今回初めて知った、女性教育者としての表の顔と、 「女」としての裏の顔。 お札にまでなった、伊藤博文の愛人だったのですね。 教科書の厳めしいイメージと違う、伊藤さんでした。
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下田歌子という女性について、関わった人たちの彼女への思いで展開していくというストーリーは、有吉佐和子の「悪女」のよう。 関わる人によっていろいろな表情をみせる歌子の生き様という本筋の話にはもちろん惹きつけられるのだけれど、個人的には明治という時代がどーーんと迫ってきて、そちら...
下田歌子という女性について、関わった人たちの彼女への思いで展開していくというストーリーは、有吉佐和子の「悪女」のよう。 関わる人によっていろいろな表情をみせる歌子の生き様という本筋の話にはもちろん惹きつけられるのだけれど、個人的には明治という時代がどーーんと迫ってきて、そちらの方に惹かれてしまった。 ついこの間まで江戸時代・・その文化や慣習に「ほぉ」「な~るほど」とひとりうなずき。世はまさに”御一新”。でも、人々の考え方はスイッチを切り替えるようには変えられないということなんだろうな~。 側室の存在、袿姿の女官(この方々の風習がこれまた)、まさに深窓の令嬢の姫君たち・・今の時代からみると「異様な風俗」と言われるんだけど、何百年、何千年とそれが当たり前の時代が続いていたんだもの、日本では。 ちょうど読み終わった頃に、GHQのスタッフとして憲法の起草作業に携わったアメリカ人女性の記事が新聞にのっていて。 『親に売られる女の子、親が決めた相手と結婚させられる女性、夫の愛人と同居させられる妻・・日本の女性が幸せになるには何が一番大事か考え』て憲法24条、男女同権条項を起草したと。 昭和になっても時代はそうだったんだ・・・そんなこんながまとめて胸に迫ってまいりました。
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林真理子さんのことを嫌いな人が、この本は評価しているようなので読んでみた。でも、わたしの好みではない・・文章は素敵だったけど、ストーリーに引き込まれず。途中で放り出してしまった。
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下田歌子という女性と当時の関係者を通して、時勢を読み解く小説。 伊藤弘文・乃木将軍…なんて学生の頃の《歴史上の人物》としての イメージしかナイから全然現実感なかったけど、この本を通して生身の人間 と感じるコトが出来たなー。 林真理子サン、ありがとう。(^^)
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この本を書くためにどれだけの資料を読み込んだのか考えると気が遠くなる。そして、資料から抽出した材料をここまでの作品に高める想像力と構成力と文章力。林真理子は真に作家なのだということを存分に見せ付けられた。凄いエネルギーと才能だ。
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の女の名は下田歌子。明治の宮廷を襲った一大スキャンダルに、伊藤博文、乃木希典、そして明治天皇らの思惑が入り乱れ…。当時の異様な宮廷風俗をまじえ、その奇々怪々たる真相を暴く問題作。
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鹿賀さんが明治天皇と祈祷師・飯野吉三郎の2役で出演したTVドラマの原作本。役どころに幅のある鹿賀さんもさすがに天皇の役が来たのには驚いたそうです。
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