屋烏 の商品レビュー
最高。珠玉の五編。情景描写がしっとりしてて巧みで引き込まれる。表題作「屋烏」とラストの「穴惑い」が凄く良かった。
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作者の本を最近3冊ほど続けて読みました。決して恵まれているとは言えない男と女の話。でも、心が穏やかになり静かな気分になります。風景描写がとても綺麗です。はまってます。
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幼い弟のために一生を犠牲にしてきた女性が道で出会った親切から嫌われ者の武士に恋をする「屋烏」は人の心の素晴らしさと美しい景色のハッピーエンドが感動的です。昔愛した女性と妻の間で心が揺れながらも妻への愛情を確認するその3人の微妙な心の動きの描写が秀逸な「禿松」、国を思い脱藩する武士と家を捨てて出ていった姪夫婦を助ける老武士の気づきが同年代の私にとっても感動の「武の春」、美しく若い父の後妻との不自然さと赦し、受け入れていく心の動きが楽しい「病葉」、34年ぶりに敵討ちを果たし帰国した武士を待っていた老妻と一族「穴惑い」どれも劣らず感動の小品です。
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「五年の梅」で山本周五郎賞、直木賞を「生きる」で受賞する前の作品。 「乙川」作品と言えば、ひたすら人間の弱い部分に取り組み、ひたむきに、もがきながら生きる人達の心情描写と、ラストの僅かな光が持ち味の作家だが、この作品は乙川の中では明るく、勇気が湧きでてくるような作品群。 「禿松」...
「五年の梅」で山本周五郎賞、直木賞を「生きる」で受賞する前の作品。 「乙川」作品と言えば、ひたすら人間の弱い部分に取り組み、ひたむきに、もがきながら生きる人達の心情描写と、ラストの僅かな光が持ち味の作家だが、この作品は乙川の中では明るく、勇気が湧きでてくるような作品群。 「禿松」「屋烏」「竹の春」「病葉」「穴惑い」5短編。短編を描かせたらやはりこの人。 また、乙川作品は特に出だしの情景描写がいい。短い文章の中に季節や情景が浮かぶ。 「垣根越しに枝を伸ばした隣家の山桜が、赤茶色の新葉をつけている。」 「陰々とした林道から一転して視界が開けた先には、日没前の淡い日差しの中に刈入れを控えた稲田が拡がり」
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風景描写の丁寧さが心情をも匂わせ、 作者についてよく知らない状態で読みましたが、 良質の時代小説でした。 本書は家族という仕掛けから物語が様々な帰結に 向かう短編が収録されています。 その家族というのは、単に仕組みというだけでない、 人と人が気持ちを通わせて関係を作り上げていく...
風景描写の丁寧さが心情をも匂わせ、 作者についてよく知らない状態で読みましたが、 良質の時代小説でした。 本書は家族という仕掛けから物語が様々な帰結に 向かう短編が収録されています。 その家族というのは、単に仕組みというだけでない、 人と人が気持ちを通わせて関係を作り上げていく、 時代に左右されない根本的な部分を 見つめさせてくれる、そんな物語ばかりです。 間違いなく、時代小説の良質な短編集です。
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表題作「屋烏」が読みたくて購入。全体をとおして優しい読後感がのこる。人が大切にすべきものは何なのかを考えさせられた。
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武士の世界は全く分かりませんが、季節の描写が好きで、季節の変わり目に読みたくなる作家。 この本は丁度秋ごろの話が多かったので、もうこの暑さにうんざりぐったりした私にとってはよい安らぎになりました。 短編集というのも、暑さで疲れた脳みそにはちょうどいい。
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いつの時代もいい人も悪い人もいるんですね、むしろ身分がなんちゃらってのがあるわけで、自分には想像がつかないけど、どんな境遇にも自分や親を信じてがんばってる話がたくさん詰まった1冊です。
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