老鬼(上) の商品レビュー
途中から「1984年」を読んでいるようだった。限りなくノンフィクションに近い小説なのでその分本当に恐ろしい。群衆とは、人間とは、を考える作品だと前書きにあったけれど、うん、その通りで。この作品に出てくる主な主人公たちの、一体誰が間違っているというのだろう? 上のほうで、退役兵や四...
途中から「1984年」を読んでいるようだった。限りなくノンフィクションに近い小説なのでその分本当に恐ろしい。群衆とは、人間とは、を考える作品だと前書きにあったけれど、うん、その通りで。この作品に出てくる主な主人公たちの、一体誰が間違っているというのだろう? 上のほうで、退役兵や四人組はやりたい放題だったのに、こんなにひたむきに生きる下の若者たちの、一体何が、と悔しくなる。一方で、彼らの熱い思いが上層部の無茶な政策を実現していってしまう。どうして、とまた悔しくなる。
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