銀河鉄道の夜 の商品レビュー
星祭の日、ふいと乗り…
星祭の日、ふいと乗り込んだ銀河鉄道でジョバンニとカムパネルラが旅をする。 不思議で、透明で、綺麗な世界観にうっとりしました。 長野まゆみさんの源泉はやはりこの人なんだろうなあ、とも。 ジョバンニとカムパネルラは二人とも可愛いですが、特にジョバンニの中身がいいですね。素朴で。拗ねた...
星祭の日、ふいと乗り込んだ銀河鉄道でジョバンニとカムパネルラが旅をする。 不思議で、透明で、綺麗な世界観にうっとりしました。 長野まゆみさんの源泉はやはりこの人なんだろうなあ、とも。 ジョバンニとカムパネルラは二人とも可愛いですが、特にジョバンニの中身がいいですね。素朴で。拗ねたり、またぱっと機嫌を直したり、その揺れ方が好きです。
文庫OFF
日本の作家者を読んでみようと選んだ、著者名題名共に広く名の知れた一冊を、生まれて39年目にして初めて読む。独特の言葉遣いに読むスピードが落ちる。なんとも言えない世界が、脳に映像を映し出されていく。思うほどハマらないけれど、くりかえして読んだ時に深まる世界があるような気がしている。
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難しいとは聞いていたが、ここまでとは… 私に想像力と読解力が足りないせいなのか。 短編集だから読み切れたが、好きだと言える日がくるだろうか。
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「やまなし」「貝の火」「なめとこ山のくま」「オッペルとぞう」「カイロ団長」「雁の童子」「銀河鉄道の夜」。 岩手で生まれ育ち自然や宇宙、宗教にも精通していた賢治だから書けた物語。やっぱり銀河鉄道の夜がいい。
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『やまなし』の美しさ。 鮮やかに燦めく水底の 幻燈。 鋼のような青の昏さと 水銀のように光る泡。 日光や金雲母の欠片で 織りなす黄金の眩さ。 泳ぎまわる魚体の表現。 圧巻のカワセミの迫力。 最先端の技術を用いて 表現しようとしても、 きっと文字で描かれた この作品を越...
『やまなし』の美しさ。 鮮やかに燦めく水底の 幻燈。 鋼のような青の昏さと 水銀のように光る泡。 日光や金雲母の欠片で 織りなす黄金の眩さ。 泳ぎまわる魚体の表現。 圧巻のカワセミの迫力。 最先端の技術を用いて 表現しようとしても、 きっと文字で描かれた この作品を越えること はできないでしょう。
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宮沢賢治は物語を何度も手直ししていた。発表されているお話も「5ページ紛失」「3文字不明」などの但し書きがあり、何度も習性をかさねてお話を作っていることがわかる。 そのなかで「銀河鉄道の夜」は、第1稿から第4稿まである。最後の形が宮沢賢治の一番いいたいものだろうということで、出回っ...
宮沢賢治は物語を何度も手直ししていた。発表されているお話も「5ページ紛失」「3文字不明」などの但し書きがあり、何度も習性をかさねてお話を作っていることがわかる。 そのなかで「銀河鉄道の夜」は、第1稿から第4稿まである。最後の形が宮沢賢治の一番いいたいものだろうということで、出回っているものは第4稿が多い。 (第4稿はこちら) https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4062850516#comment こちらの岩波少年文庫は第3稿になるのかな?第4稿では削られた「ブルカニロ博士」の部分が入ってたので読んでみた。 以下、「銀河鉄道の夜」の、第4稿との違いのみの感想です。 列車の中でジョバンニはセロのような声を聞く。そしてカムパネルラを見失ったジョバンニの目の前にセロのような声の黒い大きな帽子を被った大人が現れる。ジョバンニの嘆きを大きな帽子の大人は「おまえはカムパネルラと一緒にはいけない。だがおまえが会うどんな人でもカムパネルラだ。あらゆるひとの一番の幸福を探し、みんなと一緒に行くのだ。」「これからたくさん勉強して、みんなと議論するのだ。」「みんなが自分の神様が”本当の神様だ”とか、自分の倫理観で良い悪いを言って、それは勝負がつかないだろう」「それらを超えた全てを統括する考えを持ちほんとうの幸福を求めに行くのだ」ということを告げる。(※違ってたらごめんなさい!) そして列車から降りたジョバンニの前に現れたのが、セロの声の持ち主であるブルカニロ博士。どうやら銀河鉄道とういうもの自体が、自分の考えを伝えるためのブルカニロ博士の実験だったようだ。ブルカニロ博士は、ジョバンニにこれからも自分に相談に来なさい、と伝える。ジョバンニの伝道師のような存在だ。 なお、その直後に草原の上で目を覚ましたジョバンニは、カムパネルラの父である博士に出会う。博士は息子を亡くしたばかりだが、ジョバンニを励ますような声をかける。 「博士」というのはジョバンニにとっての伝道師のような役割なのかな。 「銀河鉄道の夜」では他にも宗教的な文言がある。 まずは沈没船(タイタニックとか言われてるよね)で遭難した青年とのやり取りだ。 <「あなたの神さまってどんな神さまですか。」青年は笑いながら云いました。 「ぼくほんとうはよく知りません、けれどもそんなんでなしにほんとうのたった一人の神さまです。」 「ほんとうの神さまはもちろんたった一人です。」 「ああ、そんなんでなしにたったひとりのほんとうのほんとうの神さまです。」> 青年の「本当の、たった一人の神様」は唯一神で偶像崇拝などを禁じる神様だろう。それに対してジョバンニの「たった一人の本当の本当の神様」は自分の心の哲学や倫理のようなもの…ってことでいい? そして列車の中で人々が唱える「ハレルヤ、ハレルヤ」(岩波文庫版)、または「ハルレヤ、ハルレヤ」。(第4稿。この「ハレルヤ」と「ハルレヤ」の違いは、ますむらひろし「イーハトーブ乱入記」で考察されていました) 第4稿からは上記「セロのような声のブルカニロ博士」が削られているが、ジョバンニは自分で「ほんとうの幸福」を目指す力があり、宗教や倫理的な伝道師は不要とされたのか…。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
日本語の拙い中学生の娘用に購入しました。以前、『注文の多い料理店』を読み、所収されている作品には自然との一体感が描かれており感銘を受け、面白かったからです。 本作『銀河鉄道の夜』は寧ろファンタジー系中心の作品で、個人的にはとっつきづらかったです。なお娘の感想は、一言『つまらない』でした笑 以下、所収されている順に作品について寸評させて頂きます。 『おきなぐさ』おきなぐさという植物について、『私』が周りの植物や昆虫、鳥たちに好きか嫌いかを聞いていくという話。絵本の内容を文字に起こした感の文章。宮沢賢治らしい自然の観察が描かれています。 『めくらぶどうと虹』めくらぶどうと虹とのダイアログ。二つの自然物が死について語り叫ぶ様子は、自然の循環や輪廻を予感させる。二度読みしたがやや意味不明。 『双子の星』天の川に住む星の住人?の双子のポンセ童子とチュンセ童子が天の悪者に騙されて海中へ落ちていく様子を描く。物語の筋がきちんと通っているため読みやすい。なかなか面白い。 『ひかりの素足』雪深い山を行く幼い二人の兄弟の物語。弟は死の予感を得て恐怖し、兄は弟を励まし道を行く。気づくと死後の世界を二人でさまようが、すんでのところで兄だけがこの世へと戻る。これを小学生が読んでどのように反応するのか気になりました。 『銀河鉄道の夜』名前は有名ですが初めて読みました。なかなか難しい作品だと思います。貧乏なジョバンニは次第に学校で友人とも遠ざかり仲良しだったカムパネルラとも疎遠に。あるお祭りの日、気づくとジョバンニは銀河鉄道に乗っています。しかもふと見るとカムパネルラも車中に。最終的には少年の死を描く作品で、滅法暗いです。 ・・・ 曰く言い難いのですが、本当に子供向けなのか、と思いました。 死というテーマを子どもから遠ざける理由も特にはありませんが、兎に角死を暗示する内容が節々で現れます。子どもが死というテーマに疑問を持った時に、それにきちんと答えられる大人がきちんと傍に居れば良いのですが・・・。ちょっと頭のいい子がこれを読んだら、めちゃくちゃシニカルでニヒルな感じになりそうですが(ちなみにうちの娘のように、つまらない、で流してくれれば問題ないですが)。 帯には『先生がすすめる名作 6年生』とありますが、もろもろそんなに簡単な本ではないなあと感じました。
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賢治作品の中でも、特に叙情的な作品を中心に7品を収録。 表題作『銀河鉄道の夜』は、3〜4回目の再読になるが(中学・高校・成人後、節目に読んだ記憶…)、これまではよくわからないままでいた。今回、本作が多次元思想によって描かれたものと気づき、また近年神秘主義的な知識を得たことで理解...
賢治作品の中でも、特に叙情的な作品を中心に7品を収録。 表題作『銀河鉄道の夜』は、3〜4回目の再読になるが(中学・高校・成人後、節目に読んだ記憶…)、これまではよくわからないままでいた。今回、本作が多次元思想によって描かれたものと気づき、また近年神秘主義的な知識を得たことで理解が容易になったこともあり、自分なりの解釈はできた。というよりも、本作は「正解」のない、それぞれが己の解釈を持つ作品だと思う…そもそも、感覚的に理解できる人と、私のように知識によるフォローが必要なタイプに分かれる作品だと思う。 ただ、情景描写はとにかく素晴らしいので、「理解できないことも1つの正解」と割り切って読むことにも充分価値があると思う。
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宮沢賢治の代表作の一つ。「やまなし」や「貝の火」なども収録されています。主人公が探した「本当の幸い」とは何なのでしょうか。
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宮沢賢治の傑作のひとつ。「銀河鉄道の夜」のほか、「やまなし」などいくつかの短編が収録されています。幻想的な世界観とともに描かれる登場人物たちの思いが、儚くも強く響きます。
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