ニューヨーク145番通り の商品レビュー
ハーレム145番通りに暮らす人々の日常を綴った十編。 一話づつの登場人物がまるっきり入れ替わるばかりではなく、どこかしこで繋がっていたり、何度も登場したりする。 ドラッグに溺れた若者や銃撃戦に傷害事件なんて物騒なことが起こっても決して重たくならず「だってここはハーレムだぜ?」と...
ハーレム145番通りに暮らす人々の日常を綴った十編。 一話づつの登場人物がまるっきり入れ替わるばかりではなく、どこかしこで繋がっていたり、何度も登場したりする。 ドラッグに溺れた若者や銃撃戦に傷害事件なんて物騒なことが起こっても決して重たくならず「だってここはハーレムだぜ?」とウインクされるがの如し。 スポットを当てているのは登場人物たちの心の動きと、生きるために不可欠な他者との関わり。 どの曲もいいなあと思える良質のR&B盤をまるごと聴いたような読後感。 『ボクサー』がとくに好きだった。
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ウォルター・ディーン・マイヤーズによる珠玉の短編集。 ハーレムの奥深いあたり(入り口の125丁目あたりはふつうの繁華街だけど、145丁目となると、だいぶちがうんだろうと思う)を舞台とした、さまざまな人間もよう。くすっと笑ってしまう「ストリーク」、土地のやっかいなギャングに目をつけ...
ウォルター・ディーン・マイヤーズによる珠玉の短編集。 ハーレムの奥深いあたり(入り口の125丁目あたりはふつうの繁華街だけど、145丁目となると、だいぶちがうんだろうと思う)を舞台とした、さまざまな人間もよう。くすっと笑ってしまう「ストリーク」、土地のやっかいなギャングに目をつけられてしまった少年の、非暴力の抵抗を描く「モンキーマン」ほっこりと心あたたまる「あるクリスマスの物語」などなど。もう流通してないの、もったいない。
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ニューヨークのマンハッタンにある145番通りはいわゆるスラム街で、街の半分の人々は仕事をもたず日々を通りに座って過ごしたりしている。時には警官が来て緊迫した状態になったり、銃声が聞こえたりも珍しくない。そんな所でも慎ましく強かに生きている人々の様子が描かれている。クリスマスの晩、...
ニューヨークのマンハッタンにある145番通りはいわゆるスラム街で、街の半分の人々は仕事をもたず日々を通りに座って過ごしたりしている。時には警官が来て緊迫した状態になったり、銃声が聞こえたりも珍しくない。そんな所でも慎ましく強かに生きている人々の様子が描かれている。クリスマスの晩、身寄りのない老婆が一人の警官をディナーに招待するが、警官は乗り気ではない。老婆のささやかなクリスマスパーティーにその警官は来るのだろうか・・・人々のぬくもりに触れられる一冊。
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