二十一世紀への対話(上) の商品レビュー
20世紀の歴史学の巨…
20世紀の歴史学の巨人と日本の新興宗教指導者の対談という異色の作品。数十年前の対談ではあるが、テーマが大きいので、現在でも通用する部分も多い。二人の意見は必ずしも一致していないのだが、「何とかしなくてはならない」という危機感は共有されている。上は「人生と社会」。自殺論・人間論が面...
20世紀の歴史学の巨人と日本の新興宗教指導者の対談という異色の作品。数十年前の対談ではあるが、テーマが大きいので、現在でも通用する部分も多い。二人の意見は必ずしも一致していないのだが、「何とかしなくてはならない」という危機感は共有されている。上は「人生と社会」。自殺論・人間論が面白い。
文庫OFF
最近トインビーに興味を持っている流れで、歴史の研究を全部読んでいくのはあまりに骨が折れるから、箸休めに読んでみた。 歴史が宗教から切り離せないからか、歴史家であるトインビーの思想には人間のないしは世界の精神性への強い志向が感じられる。 そこで池田大作との対談であるこの本は、両...
最近トインビーに興味を持っている流れで、歴史の研究を全部読んでいくのはあまりに骨が折れるから、箸休めに読んでみた。 歴史が宗教から切り離せないからか、歴史家であるトインビーの思想には人間のないしは世界の精神性への強い志向が感じられる。 そこで池田大作との対談であるこの本は、両者の議論が噛み合ってなかなか実りのあるものだと感じられた。 仏教的な柔らかな宗教による統一体ないし権力の実現というのが両者の持つ野望であり、本書のメッセージのような気がするが、彼らが40年前に念頭に置いていた21世紀は現実とあまりが代わりがないように思えた。情報化のもたらしたミルフィーユみたいな現代にも、かわらず腐ったイチゴみたいな重しがのしかかり続けているのである。 新奇性とは、創造か顕在化かという部分の両者の意見の相違は面白かった気がした。
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