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究極のSF の商品レビュー

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2020/08/08

この本に興味を持ってこれから読もうとしている方のために、収録されている13作品を読みやすさで分類して微バレのあらすじを書きます。タイトルは気になさらず… 【読みやすさ◎】 「われら被購入者」宇宙人に購入され体“だけ”をコントロールされる男の話。宇宙人に購入されるのは精神疾患を患っ...

この本に興味を持ってこれから読もうとしている方のために、収録されている13作品を読みやすさで分類して微バレのあらすじを書きます。タイトルは気になさらず… 【読みやすさ◎】 「われら被購入者」宇宙人に購入され体“だけ”をコントロールされる男の話。宇宙人に購入されるのは精神疾患を患った犯罪者だけ。で、話を追うごとにこの男の異常性が明らかになっていく…。 「先駆者」人類が生存可能な惑星探査のために意識を宇宙船とロボットにコピーされた男女の話。宇宙船とロボットとなった男女は、肉体を生成し意識をコピーすることで、まるで神のように“孫コピー”を作り出すことができ…。 「心にかけられたる者」人間の反ロボット感情を解決することを命じられた高性能AI搭載ロボットの話。同じく高性能AIを搭載した別のロボットとの対話から、ロボット三原則の“人間”の解釈が変化していき…。 「ぼくたち三人」ある日突然、万能の超能力を得た三つ子の子供たちの話。万能の力を得たことで旧来の人類のルールやタブーを無視し、ためらいなく両親を殺し兄妹で性交する。その結果身籠った“第三世代”の赤子には生まれる前から三つ子を超える超能力が備わっていることがわかり…。 「キャットマン」誰もが欲しいものを手に入れられる時代に泥棒を生業とする男“キャットマン”と、その父である警官の話。“未来のセックス”というテーマが縦軸ならば、横軸は親子の愛。半人半機械の住人たちが暮らす地下世界の描写は必見。 「CCCのスペース・ラット」スペース・オペラのパロディ。CCCとは“戦闘駱駝部隊(コンバット・キャメル・コー)”の略称であり、人間の腕や頭を咬み切る凶暴なミュータ駱駝を相棒とする宇宙船乗り(スペース・ラット)の精鋭部隊。だがミュータ駱駝は序盤以降登場せず、新米スペース・ラットのMとLは上官の命令を受け悪辣なラーシュニク人の討伐に勇ましく向かうが…。 「時間飛行士へのささやかな贈り物」時間飛行中の事故により閉じた時間の中を繰り返し生きることになった時間飛行士たちの話。ジャーマンウイングス9525便墜落事故の超大規模版と言ってもいいかもしれない。時間飛行士への、いや時間飛行士から世界へのささやかな贈り物。 【読みやすさ○】 「大脱出観光旅行㈱」仮想空間で子供時代に戻った老人夫婦と仲間たちの話。タイムリミットが来て仲間たちが現実に戻ったあと、老夫婦であった男の子と女の子の下した決断とは…。 「わたしは古い女」 高性能コンピュータを搭載した家に友人たちを招いた女主人の話。家の端末のひとつである若者と性交したところを友人たちに目撃された女主人だったが…。 「すばらしい万能変化機」万能変化機――すべての欲望を実現し、すべての可能性を本物にすることのできる機会――にのめり込む男の話。一週間に7回以上使用すると永久的な神経の損傷が生じるというが…。 「旅」元の世界からほんの少し、あるいは大きく異なる多次元世界のサンフランシスコを次々と旅する男の話。思ったよりもずっと早く元の世界に戻ってきたと思ったが…。 【読みやすさ△】 「3つの謎の物語のための略図」夢の話かな?さっぱり意味がわかりません。お手上げです。 「けむりは永遠に」“ホロコーストの後”というテーマだが、全く読み取れなかった。徹頭徹尾、“で…何の話?”と疑問を抱きながら読み、最後までわかることはなかった。 あらすじは以上です。半分以上は読みやすい話なので、あらすじを読んで少しでも興味を持たれた方はどうぞ。

Posted byブクログ

2011/09/14

思わぬ拾い物で大満足  時間軸の輪の中に閉じ込められたという筋のディックの「時間飛行士へのささやかな贈物」が読みたくて、この短編集を手にしたのだが、ロボット三原則をかなり厳しい方向で発展させたアシモフの「心にかけられたる者」のほうが圧倒的にインパクトがあった!  フレデリック...

思わぬ拾い物で大満足  時間軸の輪の中に閉じ込められたという筋のディックの「時間飛行士へのささやかな贈物」が読みたくて、この短編集を手にしたのだが、ロボット三原則をかなり厳しい方向で発展させたアシモフの「心にかけられたる者」のほうが圧倒的にインパクトがあった!  フレデリック・ポールやポール・アンダースンやブライアン・W・オールディスや(このころにはまだ女性だとは思われていなかった)ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアも参戦している豪華絢爛短編集。作者自身によるあとがきなど見所は多い。大満足だ。  作品は以下のとおり(《》内はそれぞれの作者に付与されたテーマ)。 《ファースト・コンタクト》  ・フレデリック・ポール「われら被購入者」 《宇宙探検》  ・ポール・アンダースン「先駆者」 《不死》  ・キット・リード「大脱出観光旅行?」 《イナー・スペース》  ・ブライアン・W・オールディス「三つの謎の物語のための略図」 《ロボット・アンドロイド》  ・アイザック・アシモフ「心にかけられたる者」 《不思議な子供たち》  ・ディーン・R・クーンツ「ぼくたち三人」 《未来のセックス》  ・ジョアンナ・ラス「わたしは古い女」  ・ハーラン・エリスン「キャットマン」 《スペース・オペラ》  ・ハリー・ハリスン「CCCのスペース・ラット」 《もうひとつの宇宙》  ・ロバート・シルヴァーバーグ「旅」 《コントロールされない機械》  ・バリー・N・マルツバーグ「すばらしい万能変化機」 《ホロコーストの後》  ・ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア「けむりは永遠に」 《タイム・トラベル》  ・フィリップ・K・ディック「時間飛行士へのささやかな贈物」

Posted byブクログ