燃え続けた20世紀 殺戮の世界史 の商品レビュー
20世紀初頭までにゆっくりと円熟してきた各列強の利害関係の衝突と、その下で抑圧されてきた人々に対する矛盾。科学技術の進歩が加わり、2つの未曾有の大戦争として表面化しただけではなく、戦後処理も大きな混迷を呼んだ。 敗戦国の日独の苦悩はともかく、経済的に疲弊しきった戦勝国の西欧...
20世紀初頭までにゆっくりと円熟してきた各列強の利害関係の衝突と、その下で抑圧されてきた人々に対する矛盾。科学技術の進歩が加わり、2つの未曾有の大戦争として表面化しただけではなく、戦後処理も大きな混迷を呼んだ。 敗戦国の日独の苦悩はともかく、経済的に疲弊しきった戦勝国の西欧、共産圏の衛生国にならざるを得なかった東欧。地理的に離れた米中ソも戦後の矛盾にさいなまれていた。植民地から独立をきたしたアジア・アフリカも同様だった。 ここに紹介されている国は苦難を乗り切った国だが、そこにはたくさんの人の命が奪われた。偶発的なものだけではなく、ドイツによるユダヤ人、トルコによるアルメニア人に対するジェノサイドも入る。 第一巻同様、各地域・国における出来事を一章完結の形式で書いている。知っている章は簡単に読み飛ばし、知らない章はじっくり読み込むことができる。知っている章にも、世界史や日本史で習わなかったことも書いてあり、読み応えがある。 20世紀の歴史に興味のある人すべてにお勧めできる本だ。
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