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決定版 私の田中角栄日記 の商品レビュー

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10件のお客様レビュー

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側近中の側近が描く今…

側近中の側近が描く今太閤の実像。あのロッキード事件とはいったいなんであったのか?官僚組織や米国帝国主義に抵抗した庶民派??宰相の記録。現在のうわべだけの美しい国とは異なる昭和の記録。

文庫OFF

田中角栄の秘書が素顔…

田中角栄の秘書が素顔を語る。やはり角栄はスゴイ。

文庫OFF

2021/06/02
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※このレビューにはネタバレを含みます

 当初はロッキード事件=陰謀、という文脈から本作品を手にしたが、稀代の政治家の素顔を知るということで人となりの妙を純粋に楽しめた。  現今の政治家とは時代が違うので仕方ないが、田中角栄氏の魅力が良く伝わってくる。  終戦直後から角栄氏の死まで半世紀に渡り時を共にしてきたわけだから、作品全般に関してポジショントークになっていることは割り引いて考えねばなるまい。しかし、それでもなお、角栄氏の度量の広さ・日本を支えるという熱量の大きさ・面倒見の良さ等などが良く描けており、興味深く読むことができた。  当然のことながら角栄氏も人間であり、緊張もすれば、疲れるときもある。そのような普段の様子も描かれていることが共感を呼び、作品に対しても角栄氏に対しても好感が持てると感じた。  またこの本を読むことでマスコミについてもぼんやり考えた。  金権政治と批判を浴び、ロッキード事件と相まって退陣を余儀なくされた田中角栄氏であるが、マスコミやジャーナリズムについては非常に恐怖感を覚える。あるときは持ち上げ、あるときは完膚なきまでに叩きのめす。角栄氏もその餌食でありロッキード事件の真相を一般ジャーナリズムは殆ど取り上げることはなかったのではないか。マスコミという生き物はテレビ局や新聞・出版社や無数のジャーナリストの集合体であり、新陳代謝を繰り返しながら反省や自省をすることなどなく、大衆を巻き込みながらワンサイドゲームを作っていくのではないか。  またマスコミは、著者の佐藤氏について散々報道しておきながら起訴もされなかった事実(つまり法的に問題がない)とわかった時、謝罪はしたのだろうか。当然なかろう。謝罪をしたところで名誉回復などは形ばかりで、実生活で失うものが大きいことは想像して余りある。  人間とは感情的動物であるが、マスコミが感情をもって民衆に訴えかける時、その流れを止めることは難しい。今やSNSで個人が情報を発信できる時代に、表現の自由ばかりでなく、良識や自重に関しても矜持をもってほしいと感じた。これは個人の発信であっても同様であろう。  最後に。題名に日記という単語がある通り、本作は筆者の考えを伝えるというより資料的価値が高いものかと思います。昭和の政治史、外交史、ジャーナリズム等々を知りたい方にはおすすめできる作品かと思います。ロッキード事件については多くは語られていないので、そちらに興味がある方は石井一氏の作品をおすすめします。

Posted byブクログ

2020/08/25
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久しぶりに、Fに遊びに来てくれた D時代の同僚から紹介された本作 もう、平成も終わろうとしてるのに 年齢が近い人と話すと 何故か、昭和の話になるのは あまりにもエグいコトが多いから 笑 特に、戦後の混乱期 どさくさ紛れに、財を成したり フィクサーと呼ばれるような 怪しい人達が、ゾロゾロいる昭和と言う時代 そんな中 どんなに政治に疎い、若い人でも 新潟県出身者なら 必ず知ってる、田中角栄 本書は 「越山会の女王」と呼ばれた 角栄の愛人である 佐藤昭(あき)が、欠かさず付けていた日記を元に 彼女から見た田中角栄を書き綴っている 角栄と昭の出会いは 二人の故郷である、新潟県柏崎市 昭の生家である、老舗文具店に 背広姿で現れた角栄 初めて、衆議院議員に立候補するするための 選挙活動で 地元の元警察署長と共に地縁を回っていた そこで、応援演説をしてくれる人を探していると聞き 高校時代に、弁論部主将をしていたことがある 昭の婚約者を紹介したコトから 選挙活動を手伝うコトになる ここから33年間の二人三脚が始まる 第一次岸内閣で、郵政大臣に就任 戦後初めて、30代での国務大臣 自民党政務調査会長から 大蔵大臣へ その後、自民党幹事長に就任し 通産大臣から 内閣総理大臣に就任する その間、秘書として陰から田中を支え続ける 首相退任後に発覚した ロッキード事件に関して 「田中は、一貫して全くの無実である」 と、本書では主張している 事務所の金庫番を任されていたとう自負が 言わしめてるようであるが… ある意味、昭には 素の姿しか見せていなかったのだろう 政治家たる所以の 黒い部分は、決して見せなかったのね 現代においても 評価が真っ二つに分かれるという 田中角栄 抜群の記憶力と、人心掌握術に関しては 本書でも至る所で記載あり 次々と議員立法を成立させる豪腕は 「コンピューター付きブルドーザー」と言われ 日中国交回復に尽力した功績は 多少強引とはいえ、評価を得ている かと言えば 「日本列島改造論」をぶち上げて 地方再生を唱え 高速道路や、新幹線を配備 その流れで、金脈政治家と言われ ロッキード事件で逮捕 にも関わらず 田中派を通じて政界にも 隠然と影響力を保ち続け 「目白の闇将軍」と呼ばれる 「越後女は、徹底的に男に尽くす」と 本書にあるように 脳梗塞で倒れ、政治生命が失われ 娘の真紀子によって事務所が閉鎖されてもなお 自ら、政治団体を主宰し 角栄の復活を待ち続けていたという 恐るべし、越後の女 そんな強靭な精神力を持つ 昭の他にも、神楽坂の芸者や その他諸々の女性達に 影となり日向となり支えられた 田中角栄 昭和には、現代だったら 即アウトな 豪傑が、ぞろぞろいるから面白い #田中角栄 #佐藤昭 #越山会の女王 #金脈政治 #闇将軍 #ロッキード事件 #昭和の天才政治家 #人身掌握

Posted byブクログ

2016/11/19

角栄さんのことを語る上で、一番近かったのは佐藤さん をおいて他にはいないと思います。どれだけ「オヤジ」のそばにいたことを自負する男たちでも、「ママ」の存在は別格だったことでしょう。 単なる恋愛関係でもなく、かといって決して途切れることのない点では夫婦のようでもあり、それは、昭和...

角栄さんのことを語る上で、一番近かったのは佐藤さん をおいて他にはいないと思います。どれだけ「オヤジ」のそばにいたことを自負する男たちでも、「ママ」の存在は別格だったことでしょう。 単なる恋愛関係でもなく、かといって決して途切れることのない点では夫婦のようでもあり、それは、昭和の時代でしかありえない関係だったのかもしれません。 角栄さんが一番人間的で、一番素直に生きている時の表情を知る唯一の人だと思います。だれも、敵うひとのない、けれども最期を看取ることはできない苦しさが、書かれたあと何十年もたっているのに、痛みになって感じられる一冊です。

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2016/09/29

角栄本が流行っているが、側近すぎる側近である越山会の嬢王の日記が復刊された。佐藤昭子については児玉隆也の「淋しき越山会の女王」でしか知らなかったので、ご本人の回想録である本書の復刊は興味深い。

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2016/09/02

最も長く田中角栄の秘書を勤め、角栄との間に愛娘ももうけた女性秘書。彼女が自身の日記をもとに、田中角栄との政治生活を時系列的に振り返る。角栄を題材とした著作は沢山あるが、そうした著作群とは一味も二味も異なる。

Posted byブクログ

2016/07/17
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ロマンスは興味なかったが、男目線と仕事のパートナー兼女性目線の違いが見たくて読んだ 田中本数冊目、読めば読むほど田中が魅力的。 この本を読むと角栄は冤罪だと思った 政治の中で金が動くのは必然 会社だって営業協力というのやってますよね 他社の製品買わされたり、社内で自社製品買わされたり 佐藤さんは経理を一任されていただけに、きっちり管理して有り 数学が得意と言うだけあり、数字に強いです それが取り調べの時にも活きてくる 思っていたよりも、お金にクリーン 数冊も読んでいたので、分かっていましたが それでも、出すは出すけど受け取らないといった印象 受け取らないとは献金じゃなくて、袖の下のことです メロンの下に敷いてあったものを慌てて返しに行ったり 疑われるようなことを雑誌に書かれたときに訴えたり 悪い噂のある人が同じビルの一階に店を持っていた時は 慌てて事務所を引っ越したり 火の粉を払って回っています 女性特有の目線や会話も面白い 「ソ連のホテルでは会話を盗聴されているらしいわよ」 帰ってきた角栄が 「ここの石鹸は酷いと部屋で言うと、翌日はちゃんといい石鹸が入っているし、トイレットペーパーはざらざらじゃないかと言うと、新しいのに取り替えてある。盗聴されるのもいいもんだぞ」 「俺は二期六年はやらない。一期三年で人の二期分、働いてみせる」 ロッキードのことで検察に呼ばれ、二、三時間取り調べを受け「五億」のことには一切聞こうとしなかった が、調書にはこう書き入れた 【田中角栄がロッキード社から受け取った五億と自分の事業の金を政治に使ったということは、私は知りませんでした】 もちろん、佐藤さんは「ここは消してください、貰ったと思ってません」と納得しない 検察「世間ではそう言われているんですよ。それを田中さんが知らなったということでしょ」 なんだ、この検察・・・世間ではって・・・ 結局、その二行は三十分くらいのやり取りで赤線二重線を引かせ目の前で消した 総裁選の際の中曽根の発言「田中・大平派の金の力に負けた」腹黒すぎる もちろん、裁判で懐事情の苦しい佐藤さんは中曽根派の議員に苦情を言うが「それだけは絶対に言わないように釘を刺しておいたんですが」と恐縮しきりだったそうだ 総理になった後の中曽根、深夜突然に佐藤さんの家に電話し「やりますよ、私はやりますよ」 それから度々電話が来るようになったが 田中が倒れてからは見舞いはおろか、ただの一度の電話もないそうだ よっしゃ、よっしゃなんて言葉は越後の人は使いません 日中国交回復の時には右翼団体が毎日凄かったようですね 右翼の大物といえば あ…(察し)

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2013/12/26

今年は田中角栄氏が亡くなつてから20年といふことで、メディアでも話題となつてゐるやうです。便乗してかかる本を登場させやうと企みました。 佐藤長期政権の後を受けて誕生した田中内閣。その「今太閤ブーム」は今でも鮮明に覚えてゐます。日中国交正常化や、日本列島改造論など...さういへば...

今年は田中角栄氏が亡くなつてから20年といふことで、メディアでも話題となつてゐるやうです。便乗してかかる本を登場させやうと企みました。 佐藤長期政権の後を受けて誕生した田中内閣。その「今太閤ブーム」は今でも鮮明に覚えてゐます。日中国交正常化や、日本列島改造論など...さういへば、中国との外交がらみでは、パンダがやつてきて大騒ぎになつてゐました。どのくらゐ大騒ぎかといふと、当時の特撮作品『ウルトラマンエース』に、パンダを盗むだけが目的の「スチール星人」が地球にやつて来るといふ話があつたほどであります。子供心に「くだらんなあ」と思案してゐました。 それだけに、ロッキード疑獄で逮捕された時は衝撃的でしたな。金権政治の代名詞のやうにもいはれました。 まあいづれにせよ正邪両面で大物であることは間違ひないのでせう。 現在でも、日本政府が特に外交面でうまくいかない時に「今、田中角栄がいたら...」と述懐する人も多いのです。 『決定版 私の田中角栄日記』は、長年田中氏の秘書を勤め、越山会の女王と呼ばれた佐藤昭子氏の手記であります。 金権政治の権化とか、地元(選挙区)以外には傲岸不遜な態度をとるとか、一般に植ゑつけられたイメエヂとは実は正反対の人物であることを世間に知つてもらひたい、との思ひからこの手記を発表したとのことです。 田中元首相とは、公私にわたり最も身近にゐた存在の佐藤氏。それだけに田中氏の息遣ひまで聞えてきさうな、生々しい記録であります。 特に、離婚して全てを失つた著者が田中氏と再会する場面。近所でボヤがあつたせいで車が足止めになり(佐藤氏と)再会できた、もしボヤがなければ永久に会へなかつたかもといふ田中氏の言葉。青年時代の田中角栄はなかなかのロマンティシストと見た。 むろん、身近すぎて目が曇ることもあるでせう。闇将軍の実態を知らない訳はないと思ふのですが、ロッキード裁判中のくだりでも、その辺の話はほとんど出てきません。 しかし本書はさういふ点を期待してはいけない書物なのでせう。報道ではほとんど語られないので皆は知らないでせうけど、彼は本当はこんなに魅力的な人なのよ、と世間に訴へるのが眼目ではないでせうか。そしてその目的は十分に果たされてゐると申せませう。 ぢやあまた、今夜はご無礼します。 http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-140.html

Posted byブクログ

2011/07/26

これ読むと、我らがカンナオトとのあまりの違いに複雑な気分になる。もちろん時代が違うので一概に比較は出来ないのだが。

Posted byブクログ